てっちレビュー

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「ブランカ」「神の犬」谷口ジロー 結末は少し悲しい

「神の犬」

「ブランカ」「神の犬」谷口ジロー

なんとなく、食わず嫌いで読んだことがなかった谷口ジローの作品を手に取るきっかけになったのは、鳥取県のまんが王国の取り組みだった。

 

谷口ジローの作品は、夢枕獏原作の「神々の山嶺(いただき)」も面白いが、一番好きなのは「ブランカ」と続編の「神の犬」。

鳥取市立図書館で借りてきて久々に読み返した。

 

R共和国が生体改造して開発した最強の軍事犬ブランカが脱走。世間に知れたらえらいことになるから、密かに殺さねばと、共和国の工作員や特殊部隊が必死に追撃。ブランカは追っ手をかわしながら、遥か遠く離れた故郷を目指す──というストーリー。

荒木飛呂彦の「バオー来訪者」を思い起こさせる物語だ。

 

ブランカはバオーの主人公と違い、皮膚を硬化させて銃弾をはじくとか、物を溶かす液体を手のひらから出すとかいった超生物的な能力はない。驚異的なスピードやジャンプ力といった運動能力だけで特殊部隊を全滅させ、ヘリコプターを撃墜する。

 

「神の犬」はブランカの子どもがいたという話。「ブランカ」も「神の犬」も結末は少し悲しい感じだ。

 

(2015年1月11日Facebook投稿を転載)