「外国人レスラー最強列伝」門馬忠雄
プロレスの見方は、好き嫌いによって分かれるという。
元プロレス記者の著者は「馬場好きで猪木嫌い。テーズ好きでゴッチ嫌い」と自らの立場を明言している。
カール・ゴッチについては、虫歯にいらだって健康な歯まで全部抜いてしまい、高熱を出して寝込んだエピソードや、練習中に相手の尻の穴に親指を入れるという奇策を使ってまで勝とうとしたエピソードを紹介。「融通の利かぬ変なオッサンにしか映らなかった」と評している。
フレッド・ブラッシーがなぜヒール(悪役)になったかも紹介。
もともと正統派のレスラーとして活躍したが、北部出身だったため、活動場所だった南部では、いくらいい試合をしても観客にブーイングを浴びせられるので、ついには卑劣な悪役ブラッシーに豹変したのだとか。
髪を引っ張り、目を突くなどの反則技を使い、そのうち噛みつくという看板技を思いついた。当時は流血が許される時代ではなかったため、観客から非難を浴び、悪名を轟かせた。観客にナイフで刺されたり、ホテルに止めた車に銃弾を撃ち込まれたりしたこともあったという。日本人女性に一目惚れし、再婚したエピソードも。
自分が最も好きな外国人レスラー、ハルク・ホーガンが取り上げられていないのが、とても残念だ。
(ちなみに、日本人レスラーで最も好きなのは、初代タイガーマスク)。
これも、著者の好き嫌いなのか。
(2017年6月13日Facebook投稿を転載)