「金子博写真集 No.13 フェラーリ126CK&126CX 1981」
この薄さ(78ページ)でこの値段(3300円)は高いなあ、と思いながらも、ジル・ヴィルヌーヴ見たさに購入。
126CKは、F1のフェラーリ初のターボ車。操縦性の悪さに苦しみながらもエースドライバーのジル・ヴィルヌーヴがモナコGPとスペインGPで優勝した。
造形のかっこよさは、歴代フェラーリF1マシンの中でも屈指ではないだろうか。
フェラーリのF1マシンで一番かっこいいと思うのは、シュモクザメみたいな形の312T4(1979年)。
当時、フェラーリ史上最も醜いマシンと言われたそうだが、幅広で低いウイングカーらしさがすごく出ていて、大好き。その改良型のはずなのに性能が著しく低下し、最悪の失敗作と言われた312T5(1980年)も、武骨さは減ったが、好きなデザインだ。
これらの次に好きなのが、デザインを一新し、再び武骨さを取り戻した126CK(1981年)や、その改良型の126C2(1982年)かなあ。
いずれも、ヴィルヌーヴが駆った車だから、たぶん、ヴィルヌーヴびいきが入っている。
フェラーリに限らず、1970年代後半から1980年代前半にかけてのF1マシンは、ウイングカーとかターボ車とか各チームがいろいろ模索し、個性的なデザインの車が出た時代で、どの車もだいたい好きだ。
写真集、当然ながら、ヴィルヌーヴの写真がたくさんあったのは、うれしかった。
セカンドドライバーのディディエ・ピローニの写真はいらないから、ヴィルヌーヴの写真をもっと増やしてもらうと、なお良かった。あと、スペインGPの写真がもう少しほしかった。
1981年スペインGPは、ヴィルヌーヴのレースの中でも屈指の名勝負だ。
1位から5位まで5台の車が1秒24の僅差で連なってゴールした、F1史上でもまれな接戦だった。
その接戦の模様は、写真集には少ししか出てないが、YouTube動画を引用しておく。
ヴィルヌーヴのレースで、最高の名勝負は1979年のフランスGPだ。
優勝はできなかったが、ルノーのルネ・アルヌーと2位を争い、激しいバトルをしている。
いったんは押さえたアルヌー(黄色い車)に抜かれ、次の周回、同じコーナーでブレーキングをギリギリまで遅らせ、タイヤから白煙を上げながら抜き返す。
その後、またアルヌーに抜かれ、2台が真横に並んで、車をぶつけ合う、漫画のようなドラマチックな競り合いの末、抜き返してゴールする。
見ていて素直に面白い。
この名勝負は有名で、YouTubeにもいくつかアップされているが、そのひとつを引用しておく。
(2019年9月25日Facebook投稿を転載)