メル・ラモス画集
「Mel Ramos Pop Art Images」
ポップアートの画家メル・ラモスは、コカ・コーラ、ラッキーストライクといった商標と、女性のヌードを組み合わせた作品で知られる。
果物加工品メーカーS&Wの商標と組み合わせた作品は、フルーツカクテルを盛ったグラスに女性が寝そべり、果物販売会社チキータの商標と組み合わせた作品は、バナナの皮をむくと女性が出てくる、といった具合。
ケントの箱に女性が座っているとか、バルボリンのオイル缶に女性が入っているといった作品もある。
このアイデアが面白い。
身近な商品をアートにするアイデアは、アンディ・ウォーホルが有名なところ。
「キャンベルスープ」「ブリロの箱」といったウォーホルの作品は、商品や包装箱そのものだけ模した作品だが、ラモスは、ピンナップガールの感覚で女性のヌードを組み合わせた点が、いかにもアメリカ的で、好きだ。
ウォーホルはもともと商業デザイナーで、ビジネスの感覚があり、「キャンベルスープ」のような平面作品は、シルクスクリーン印刷で量産した。
これに対し、美術教員でもあるラモスの作品は、手描きの1点もので、あまり出回っておらず、私は、現物を見たことがない。
30年くらい前、地方都市では珍しかった洋書を扱う書店で本書を見つけて、気に入った。
カーズのアルバム「キャンディ・オー」のジャケットを飾ったアルベルト・バルガスの「バルガ・ガール」をはじめ、ピンナップガールにもともと興味があった。
第2次世界大戦中の米軍兵士が爆撃機の機首などにピンナップガールを描いた「ノーズ・アート」も大好き。
「ピンナップ チーズケーキ・モデル」(大類信)といった写真集も持っていた。
だから、ラモスの作品にも引かれた。
ラモスや横尾忠則の作品に刺激を受けて、コラージュ作品制作の真似事にはまった。
当初は、雑誌の商品写真やモデルの写真を切り貼りしていたが、Photoshopという画像加工ソフトを知り、それを使いたくて、Macintoshを買い、そのうち、Macそのものに、はまっていったことを思い出す。