
「タイムボカン全集」
テレビアニメ「タイムボカン」シリーズは1975年から83年にかけて7作品が放映され、団塊ジュニア世代等、当時の子どもたちを虜にした。

ドロンジョ等のお色気な美女、ボヤッキー等の鼻デカ&出っ歯な頭脳派、トンズラー等のゴリラ風な武闘派の三悪人は、主人公よりインパクトが絶大。
犬+消防車の「ヤッターワン」、ライオン+機関車の「ゼンダライオン」等の個性的なメカも子どもを惹きつけた。
そして、「ブタもおだてりゃ、木に登る」「今週のヤマ場ァー」「ポチッとな」等、子どもが容易に覚えられる一発ギャグや決めセリフ。
毎回繰り返されるマンネリ感が、出るぞ出るぞと子どもをワクワクさせ、作品の魅力をさらに高めていた。
まさに、志村けんの言う「お笑いにはマンネリが必要」を実践していたわけだ。
本書「タイムボカン全集」は、シリーズ7作品の放映リストや設定資料、関係者インタビューなどで構成する。
夢中になった世代としては恥ずかしいことに知らなかったのだが、キャラクターデザインは天野喜孝、メカニックデザインは大河原邦男が手掛けたという。
天野喜孝と言えば、のちにテレビゲーム「ファイナル・ファンタジー」シリーズの幻想的な作品で知られようになる個性派イラストレーター。当時、タツノコプロダクションに在籍していたといい、作風のあまりな違いに驚く。


ちなみに、本書の天野喜孝インタビューによると、「タイムボカン」の主人公2人や三悪人のお色気美女マージョの頭にふたつある山型の飾りは、見たまま、ブラジャーがモチーフだという。

大河原邦男は、のちに大人気アニメ「機動戦士ガンダム」のモビルスーツのデザインを手掛けて、知られるようになった。やはり、当時、タツノコプロダクションに在籍。シリーズ第2作「ヤッターマン」以降、担当したという。
「大巨神」(第5作「ヤットデタマン」)、「逆転王」(第6作「イッパツマン」)等の人型メカはガンダムにも通じるが、ヤッターワンやゼンダライオンは、、、




要するに天野喜孝も大河原邦男も才能豊かな方々だったということなのだろう。
一発ギャグのコーナーも懐かしかった。
「ブタもおだてりゃ、木に登る」のほか、「ヤルー、ヤルー、ヤルー、ヤラレルゾ、キットナ」とか、「惜ーしい、惜ーしい、惜ーしいなー、もうちょっとー」とか、思い出した。

あと、シリーズのキャラクター玩具のコーナーも。超合金の「オモッチャマ」(「ヤッターマン」に出てくるサイコロみたいなロボット)、持っていたので、懐かしかった。



