
「アサヒグラフ別冊・美術特集 山元春挙」
日本画家・山元春挙の大作「瑞祥」が素晴らしい。
島根県安来市の足立美術館が所蔵。
数年前に足立美術館を訪れた時、一目見て、大好きなロジャー・ディーンの風景画みたいだと思って、気に入った。

恥ずかしながら、山元春挙の名前を知ったのは、これが初めて。竹内栖鳳と並んで、近代の京都画壇を代表する画家なのだとか。
ちなみに、ディーンは英国のイラストレーターで、東洋と西洋の要素を取り入れた幻想的な風景画を描く。
プログレバンド、イエスのアルバムのアートワークで知られる。
空に浮かぶ岩の塊、湾曲した岩といったアイデアも面白い。
SF映画「アバター」(2009年、米国)で描かれる衛星パンドラの風景は、間違いなく、ディーンの影響を受けていると思う。
山元春挙の「瑞祥」は、桃源郷を描いた高さ2メートル超、全体の幅4メートル超の大作(2曲一双の屏風)。
まず、色に惹かれた。
青色が美しくて、吸い込まれそうだ。「春挙ブルー」と呼ばれる独特の色なのだとか。
そして、中国風の建物、霞んだ遠景、金色のもやが幻想的な雰囲気を高めている。
よく見ると、大勢の人物も細々と描かれているのが、面白い。
Amazonで画集を探し、本書「アサヒグラフ別冊・美術特集 山元春挙」を見つけた。
「瑞祥」と同様な趣の作品「蓬莱山図」、「蓬莱仙境図」も載っていた。
「蓬莱仙境図」は水墨画だ。

美しい春挙ブルーが楽しめる作品「四海青波図」もあった。

<鳥取県東部の美しい海岸>
「四海青波図」を見て、私の故郷、鳥取県の海岸を思い出した。
特に県東部の岩美町の美しい海岸は自慢の風景だ。
鳥取県の北東端に位置する岩美町の沿岸部はリアス式海岸で、「浦富(うらどめ)海岸」と総称される。
浦富海岸のうち、県外客にもよく知られて海水浴シーズンに賑わうのは、浦富海水浴場というエリアだが、私が一番好きなエリアは、東浜。
とにかく、海の色がきれい。
山陰の海とは思えない、南国のような美しい青色だ。
大学時代に友人たちと海水浴に来て、遊んだ後、すぐ近くの小学校のプールに入って、身体を洗ったものだ。
こんなに素晴らしい海がすぐそばにあるのだから、プールなんかいらないんじゃないかとも思ったものだ。
城原(しらわら)海岸、鴨ケ磯(かもがいそ)も大おすすめ。
どちらも、場所がわかりにくいので、あまり人が来ないプライベートビーチみたいな海岸。狭いけど、気兼ねなく、くつろげる。
私の娘が幼い頃に連れて行ったら、ヤドカリを追い回したりして、ずっと楽しんでいた。
ハングルが書かれた船の破片みたいなものも見つけた。
北朝鮮の工作員は、こういう海岸から上陸するのかもしれない。
以上は、岩美町の海岸。
もうひとつ、私が大好きな海岸は鳥取市の岩戸海岸。
鳥取砂丘より東方(岩美町寄り)にある。
ここは冬場の荒々しい日本海を眺めて楽しむところ。
防波堤に荒波が打ち寄せては砕ける様子は、ずっと眺めていても飽きない。
ここも、あまり人が来ない海岸。
かつて全国ニュースにもなった「鳥取連続不審死事件」で、元スナック従業員の女(強盗殺人罪で死刑が確定。執行前に獄中で死亡)が、被害者の一人の電気店経営者男性に睡眠薬を飲ませた犯行現場とされる。
当時、応援で鳥取に来て、取材に携わった。
私が大好きな海岸でそんなことが起きたのかと悲しくなったものだ。
<足立美術館の紹介>
山本春挙の作品「瑞祥」を所蔵する足立美術館の紹介を少し。
日本庭園が有名だ。米国の専門誌が毎年発表する日本庭園ランキングで、2003年のランキング創設以来、22年連続の日本一に選ばれている。
なお、2025年1月に発表された24年のランキングで、2位は桂離宮(京都府)、3位は山本亭(東京都)。
島根県は庭園のレベルが高く、公表されるランキング上位50位以内に、足立美術館など5カ所も入っている。
京都府の10カ所には及ばないが、東京都(5カ所)とともに、京都府に続く多さで、たいしたものだと思う。
特に、島根県東部は「出雲流庭園」と呼ばれる独自の庭園文化があり、民家にも立派な庭園がある。
私、足立美術館には何度か、行ったけど、本当に日本庭園は素晴らしい。
落ち葉ひとつないという徹底した管理に驚く。
季節によって表情が変わるので、何度見ても、楽しめる。
近年まで興味がなかったけど、日本画のコレクションも素晴らしい。
横山大観のコレクションが呼び物。
大観の作品では「紅葉」がおすすめ。毎年、秋に公開される。
プラチナ箔を貼ってあり、見る角度を変えながら眺めると、輝き方が変わって面白い。
これは、ぜひ現物を見てほしい。現物でないと、この作品の魅力はわからない。
美術館のホームページによると、2025年は、8月31日〜11月30日の秋季特別展で展示されるもよう。
