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「地球大進化 5 大陸大分裂」NHK地球大進化プロジェクト編 恐竜絶滅後の地上の覇者はトリウマ、チョコボに似た肉食巨鳥 哺乳類が生き延びられたのは大陸分裂のおかげ

「地球大進化 5 大陸大分裂」

「地球大進化 5 大陸大分裂」NHK地球大進化プロジェクト編

恐竜が絶滅した後、地上の覇者は、巨大な鳥だった。

5500万年前ごろに栄えていた肉食巨鳥の一種ディアトリマは体長2メートル、体重200キロ。翼が小さくて飛べないが、ダチョウのように2本足で歩いた。

人類の祖先に当たる哺乳類は当時、子犬くらいのサイズの生き物。

ディアトリマは、この小さくて弱い哺乳類を襲い、力強い足で蹴り飛ばして転がし、大きなクチバシで突いてトドメを刺したという───

 

「地球大進化 5 大陸大分裂」より。ディアトリマの想像図

「地球大進化 5 大陸大分裂」より。哺乳類を蹴るディアトリマ

アニメ映画にもなった漫画「風の谷のナウシカ」(宮崎駿)には、この肉食巨鳥に似た姿の「トリウマ」が出てくる。

テレビゲームの名作「ファイナルファンタジー」シリーズにも、似たような姿の「チョコボ」が出てくる。

 

「風の谷のナウシカ」より。トリウマに乗ったナウシカ(上のコマ)
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どちらも、人間の乗用動物になっており、特にチョコボは、名前からして、可愛らしく、人気が高い。

漫画版「風の谷のナウシカ」では、トリウマが戦いで傷ついて死んで、ナウシカが悲しみ、クシャナが「そのトリウマ、食料にせずに丁重に葬ってやれ」と部下に命じるシーンがあり、家畜のような存在だったことがわかる。

 

ところが、かつて実際に地球上にいた肉食巨鳥は、とても恐ろしい動物だったのだ。

 

哺乳類は、どのようにして生き延び、人類にまで進化できたのか。

それは、地球の大陸の分裂のおかげだという。

 

本書「地球大進化 5 大陸大分裂」(NHK地球大進化プロジェクト編)は、NHKスペシャルを書籍化したシリーズの1冊。

私は、NHKスペシャルが好き。

「銀河宇宙オデッセイ」や「地球大進化」は、本でそろえている。

 

 

 

本書によると、恐竜が栄えていた時代、原始的な鳥類は、肉食恐竜にやられないように、空に活路を見いだした(厳密に言うと、鳥類は恐竜の一種なので、ここで言う「恐竜」とは鳥類以外の恐竜のこと)。

ネズミのような姿だった哺乳類の祖先は、夜の世界に居場所を見いだした。哺乳類は、闇の世界で視力を上げる代わりに、色覚を失ったという。

 

6500万年前に、直径10キロの巨大隕石が現在のメキシコのユカタン半島に衝突。大量のちりが空に巻き上げられて、太陽光を遮り、地球の気候は寒冷化した。これで恐竜は絶滅したと考えられている(恐竜の中では、鳥類だけが生き延びた)。

 

恐竜がいなくなると、地上に降りて暮らす鳥類が出てきた。

飛ぶという行為に使っていたエネルギーを成長に回した結果、地上に降りた鳥類は、数百万年の間に急速に進化して、巨大化した。

現在の北米大陸やヨーロッパ大陸ではディアトリマ、南米大陸や南極大陸では肉食巨鳥フォルスラコスが栄えた(なお、当時、オーストラリア大陸は南極大陸と陸続き)。

アフリカ大陸にも、肉食かどうかは不明ながら、巨鳥がいたという。

 

哺乳類は、肉食巨鳥の化石が見つかっていない、つまり、肉食巨鳥がいなかったとみられる場所、アジア大陸で、細々と生き延びた。

 

なぜ、アジアに肉食巨鳥がいなかったのか。

当時、ヨーロッパとアジアは陸続きではなかったからだと考えられているという。

大陸の分裂が哺乳類の進化に影響したというのは、このことだ。

 

「地球大進化 5 大陸大分裂」より。5500万年前の大陸配置図

 

一方で、当時、現在のベーリング海は陸地で、アジアと北米は陸続きだった。

ここを通って、ディアトリマがアジアに来なかったのは、なぜなのか。

当時、ベーリング海のあたりは現在よりも、かなり寒冷な気候。つまり、寒さが生物の進出を阻んだという。

 

アジアにいた哺乳類は、肉食巨鳥にやられずに、時間をかけて、進化していった。

肉食巨鳥がいないため、アジアは哺乳類の王国となり、哺乳類同士の生存競争で、進化が促されたという。

 

そして、現れた哺乳類が、肉食獣ハイエノドント。

体長50センチで、肉食巨鳥と比べれば、小さいけども、動きが素早く、チームプレーで狩りができた。

地球温暖化で、ベーリング海(当時は陸地)のあたりが温かくなると、ハイエノドントは、そこを通って北米に進出。

ディアトリマは、ハイエノドントに狩られ、4000万年前ごろに絶滅したという。

 

「地球大進化 5 大陸大分裂」より。ディアトリマを取り囲むハイエノドントたち

本書では、このほかに、、、

豊かな表情を作れるのは、哺乳類の中でも、特に進化した真猿類だけで、コミュニケーション能力を高め、複雑な社会を形成できたこと。

(霊長類のうち、高度に進化したものが真猿類。人類は、さらに高度に進化したもの)。

 

ja.m.wikipedia.org

 

表情を読み取るには、視力の進化が必要だったこと。

哺乳類の中でも、赤、青、緑のいわゆる「光の3原色」の視細胞を持ち、フルカラーで世界を識別できるのは、真猿類だけであること。

最古の霊長類、ショショニアスは、両目が正面を向いていて立体視ができ、物をつかめる手を備えていたこと。

、、、など、人類が誕生するまでの進化に、地球の温暖化や寒冷化、大陸移動が影響を及ぼしたことを説く。

この話も面白い。

 

本書に限らず、「地球大進化」シリーズ(全6巻)を読むと、地球のさまざまな活動が生物の進化を促し、人類が生まれるに至ったことがよくわかり、生命の神秘を感じる。

以前の記事では「地球大進化 2 全球凍結」を紹介した。

他の巻についても今後、書いていきたい。

 

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