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「バット」寺沢武一 美女の黒騎士バットが異世界で活躍するドタバタ劇 ライバルの魔女マリアをもっと出してほしかった エリーゼ王国の女王も味のある脇役

「バット」

「バット」寺沢武一

漫画家・寺沢武一の「バット」は、「不思議の国のアリス」(マーク・トウェインの小説)のように、世界観を楽しむ作品。

代表作「コブラ」と似た雰囲気のある作品で、こちらは美女が主人公だ(「コブラ」に登場するドミニクに似ている)。

 

1985年に「週刊少年ジャンプ」に連載。

連載初回の巻頭カラーページは当時としては珍しい、コンピューターグラフィックスで描かれた。

斬新に感じたことをよく覚えている。

これからは、CGで漫画が描かれる時代になるのかと思ったものだ。

 

「バット」より。CGの巻頭カラー

主人公バット・デュランが、異世界にある「星船(スターシップ)」の統治者「黒騎士」だった母の後を継ぎ、さまざまな事件に遭遇するドタバタ劇。

聖なる剣サンダースウォードを手にして後継者の証を示す演出は、アーサー王さながらだ。

 

大きな敵がいて、それと戦うといった長編のストーリーには発展せず、連載は10話で終わった。面白かったのに、残念。

(私が持っている大判の単行本は、雑誌未掲載分を含め、13編収録)。

 

 

美女の剣士が主人公というところが好きだ。

大好きなヒロイックファンタジー映画「コナン・ザ・グレート」(1982年)にも、美女剣士ヴァレリアが出てくる。

似たような世界観で、美女の剣士が主人公と言えば、大学時代に読んだ、かきざき和美の漫画「タルナ」「闘奴ルーザ」を思い出す。

うろ覚えだが、これらは暗くて重々しいストーリーだったと思う。

そして、何と言っても、萩原一至の漫画「BASTARD!!─暗黒の破壊神─」の雷帝アーシェス・ネイ。剣士というか、魔法戦士だが、美女剣士の最高峰はネイだろう。

この漫画、面白かったのに、天使が出てきてから訳のわからない話になり、付いていけなくなった。この漫画については、いずれ、書きたい。

 

 

本作「バット」は、明るく、コミカルで、肩の力を抜いて読める作品。

 

一番好きな話は、ドジで憎めない魔女マリア・デュランが出てくる前後編の2回。

マリアは、バットの従姉妹に当たり、黒騎士の座を狙う。

いろいろと策略を仕掛けるが、不発に終わり、最後は、危機に陥ったところをバットに助けられる。

マリアが可愛いので、もっと登場してほしかった。

 

「バット」より。マリアその1

「バット」より。マリアその2

バットが不思議なカバンの中に飲み込まれる回も印象深い。

カバンの中は不思議な生き物の体内だった。

体内を探検というと、映画「ミクロの決死圏」とかでおなじみ。

私の世代だと、バトル漫画の名作「キン肉マン」の黄金のマスク編で、ウォーズマンの体内が舞台になった逸話を思い出す。

カバンの中に入るアイデアは、映画「ファンタスティック・ビースト」シリーズもか。

 

「バット」より。カバンその1

「バット」より。カバンその2

あと、男だけのマンダム帝国と女だけのエリーゼ王国が争う回も面白い。

劇場版アニメ「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」を思わせる設定だが、本作「バット」では、コミカルタッチ。

男嫌いで気位が高いエリーゼ王国の女王のキャラクターがいい。うろたえる姿が可愛い。

 

「バット」より。エリーゼ王国の女王その1

「バット」より。エリーゼ王国の女王その2

本作「バット」は、主人公バットも魅力的。

私好みの「クールな美女」とは違うけど、この漫画の雰囲気には合っていて、ストーリーを盛り上げていた。

真面目な正義漢だけど、冗談にもちゃんと付いていくのがいい。

この漫画、もう少し続いてほしかった。

 

世界観が全く違う和風の作品だが、美女剣士が出てくる漫画と言えば、「あずみ」(小山ゆう)も傑作だ。主人公のあずみは、剣士というか、凄腕の暗殺者。

この作品については、いずれ書きたい。

 

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