私が通っていた小学校では、4〜6年生には委員会活動というものがあった。
私は読書が好きなので、図書委員を選んだら、やっぱり、正解。
いや、そうでなくても、図書室には足繁く通っただろう。
図書室で借りた本が全校で一番多いとして、表彰されるくらい読んだ。
まず、よく読んだのは、ミステリー。
コナン・ドイルの「緋色の研究」「四つの署名」等のシャーロック・ホームズ物。
モーリス・ルブランの「奇岩城」「813の謎」等のアルセーヌ・ルパン物。
江戸川乱歩の「怪人二十面相」「黄金仮面」等の明智小五郎シリーズ。
これらは、子ども向けの全集があり、全部読んだ。
あと、エドガー・アラン・ポーの「モルグ街の殺人」「黄金虫」とか。
エラリー・クイーンも好きだった。「Yの悲劇」「エジプト十字架の謎」とか。
SFにも惹かれた。
学校の図書室にたくさんあったのは、海外の作品。
H・G・ウェルズの「宇宙戦争」「タイムマシン」「透明人間」。
ジュール・ヴェルヌの「海底二万里」。
ホームズ物の作者ドイルの「失われた世界」。
こういった古典的な名作を読んだことは、よく覚えている。
あと、マーク・トウェインの「アーサー王宮廷のヤンキー」、E・R・バローズの「火星のプリンセス」とか。
3大作家のアイザック・アシモフ、ロバート・A・ハインライン、アーサー・C・クラークの作品は、たぶん、何かを読んだと思うけど、何を読んだのかも覚えていない。
ちなみに、日本のSFは、中学生になってから、文庫や新書で買って読んだ。
父の本棚で見つけた平井和正と、その作品をきっかけに知った横田順彌のほか、好きだったのは、夢枕獏。
「魔性菩薩」等の毒島獣太シリーズは、平井のアダルトウルフガイと同様に、主人公のキャラクターと語り口が好きだ。
あと、テイストは全然違うけど、星新一のショートショートも味わい深い。
高校年代になると、ファミコンソフト「三國志」(光栄)にはまったのをきっかけに、吉川英治「三国志」、横山光輝「三国志」(漫画)を読み、古代中国の歴史・思想の方向に、関心が傾いていった。
「史記」「孫子」「韓非子」とか。
そもそも、小説じゃないものをよく読むようになった。
特にはまったのが、澁澤龍彦。
突出してこれが素晴らしいという作品はないけど、「黒魔術の手帖」「異端の肖像」「エロスの解剖」とか、どれも妖しい方面の知識が満載で面白い。
それと、伴田良輔。
「独身者の科学(セックス)」が大傑作。これも語り口が好き。
ほかに、コリン・ウィルソン、種村季弘といった妖しい方面の作家の著作とか。
これらの作家の著作は、だいたい、河出文庫で買っていた。
これらの作家と出会った場が、故郷・鳥取市に2023年まであった定有堂書店。
小さな書店なのだけど、本の並べ方が独特だった。
文庫本の低い棚が真ん中にあるのだけど、壁沿いに並ぶ、ハードカバーの本とかの棚にも、関連する文庫本がさりげなく、紛れこませてあった。
大きさとか、出版社とかに関係なく、内容で分類して並べてあった。
これは、すごく大事なことだと思う。
たとえば、澁澤龍彦の著書の文庫本があるとする。
これが、文庫本の棚に著者名順で整然と並べてある中に埋もれているのと、同様な妖しいオーラを醸す本に取り囲まれているのとでは、存在感の放ち方が全く違ってくる。
何というか、本好きの急所を押さえた棚作りだ。
なので、目当ての本のついでに、手に取ってしまう。
澁澤龍彦のほかの文庫本を買いたいという時は、文庫本の棚に行けば、いいわけだ。
置いてある本の総数は、大きな書店に敵わないけども、おそらく鳥取県ではこの店にしか置いてないのではないかと思うような本が見つかるという品ぞろえだった。
定有堂で出会った本は、数多い。
心理学とか哲学の本も、この店で買っていたと思う。
今流行りのセレクトショップ的な書店の先駆けだったのだろう。
実は、全国の書店員や読書家に注目される名物書店だったと知ったのは、だいぶん、のちになってからだ。
閉店前に行けなくて残念だった。
いつも、わくわくさせてくれて、ありがとう。




