
「猫脳がわかる!」今泉忠明
犬と猫、どっちが賢い?
私は、犬は馬鹿、優しく言えば、愚直で、そこが魅力だと思う。
何の警戒心もない様子で、「ハッハッハッハ」と舌を出し、しっぽを振りながら、じゃれついてくる姿が可愛い。
以前にもブログの記事で書いたと思うけど・・・
子どもの頃に飼っていた犬が散歩中、落ちていた洗濯バサミを食べようとした。
口から血が出始めたので、無理やりに口を開けさせて洗濯バサミを取り上げようとしたら、食べ物を奪われると思ったのか、私の手に噛みついた。
こいつはアホか?と思ったものだ。
でも、そこが犬の可愛いところ。
一方で、猫は、賢いというか、警戒心が強くて注意深いと思う。
自宅で飼っている猫に、何か美味しいものを持っているように見せかけて握った手を近づけると・・・
関心を示し、ニオイを嗅ぎに来るけど、深追いはせず、「それで?早く手を開けろよ」というふうに、こっちを見る。
すました顔で。
そうかと思えば、時には文字通り、猫なで声で、すり寄ってくる。
これは食事の催促。
キャットフードを取りに行くと、「早く!早く!」と言わんばかりに、「にゃ〜ん」と甘えた声を出して、まとわりついてくる。
なんか、いいように操られてるな〜と思ったりする。
哺乳動物学者・今泉忠明の著書「猫脳がわかる!」を読むと、やっぱり、猫のほうが賢いのか!と思う。
わかりやすいのは、短期記憶の実験。
本書によると・・・
ランダムに置いた箱のうち、ランプが点く箱にだけキャットフードを入れて、そのことを猫に覚えさせる。
一定時間たってから、ランプを点けた時に、猫がその箱に近づいていけば、「キャットフードが中に入っている」ことを覚えている───という実験。
その結果、猫がキャットフード入りの箱を覚えていた時間は16時間。
犬は同様な実験で、ドッグフード入りの箱を覚えていた時間はわずか5分だったという。
犬は、そこまで馬鹿かい!と、そっちのほうに驚き、笑った。
猫は長期記憶も優れているそうだ。
本書では「キャットフードのふたを開ける音を聞いただけで、猫が走り寄ってくる」「教えてもいないのに、ドアを器用に開ける」といった例を挙げている。
ドアの開け方は、人間がするのを見て、覚えるそうだ。
わが家の猫にも当てはまる。納得。
猫は、慎重で警戒心が強く、周囲の変化を常に気にしているため、些細なことに驚いて、パニックになりやすい───という解説もある。
たしかに、わが家の猫も、そうだ。
生まれて間もない頃の2014年9月に保護猫ボランティアの方から、もらってきて、わが家の中だけで暮らしている。
だから、知らないところを怖がる。
以前、私が1人支局に赴任していた頃、妻が猫を連れて訪ねてきた。
その支局の裏に鉄道の高架があり、たまたま、その時に、列車がガタンガタンと通過して行った。
猫は、その音に驚いたようで、抱いていた妻の腕を引っかいて抜けだし、走って逃げていった。
すごい勢いだった。
本書には、「『犬は人に付き、猫は家に付く』と言うように、犬は人に懐くのに対し、猫は人より、すみかのほうを選ぶ」という話も出てくる。
今年の秋に、自宅の引っ越しを予定しているのだけど、猫は、新しい家になじんでくれるだろうか。
パニックに陥るのだろうか。
慣れてもらうしかないのだけど、心配だ。
本書「猫脳がわかる!」は猫の脳の構造や五感の特徴、性質や感情表現を解説している。
視覚に関する話も興味深いので、少し紹介したい。
要約すると・・・
猫は、動体視力が優れているけど、静止しているものは、あまり見えていない。
猫の視力は、0.04-0.3程度。
だから、目の前の物を確かめようと、前足でチョイチョイとするのだという。
色の識別も苦手。
黄色や青、その中間の黄緑は比較的、よく見えている。それ以外の色は、グレーのようにくすんだ色に見えていると考えられているという。
色の識別は苦手だが、紫外線が見えている。獲物のネズミのおしっこが紫外線を反射して光るのが見えて、狩りに生かしていると考えられているという。
ほかにも、面白い話がいっぱい。