理髪店が苦手で、数年前まで長らく、自分で髪を切っていた。
就職して一人暮らしを始めてから、散髪バサミや、切った髪を受ける道具(散髪ケープというらしい)を買って、自分で切るようになった。
当然、後頭部は見えないから、だいたいの感じを手触りで確かめて、良しとしていた。たぶん、変な髪型だったと思う。
妻と出会ってからは、後頭部を切ってもらえるようになった。
白髪が増えてからは、白髪染めを買って、自宅でやっていたけど、だんだん、面倒くさくなり、数年前から美容院に行くようになったという次第だ。
<他人に身を委ねるのが嫌>
そもそも、理髪店や美容院が苦手なのは、なぜかというと、、、
まず、他人に身を委ねて無抵抗状態になるのが、居心地悪い。
当然、医者も苦手。
ありがたいことに、私は心身とも頑丈なのが取り柄で、眼科や歯科を除けば、あまり医者にかからずに生きてこられた。
(おたふく風邪にもかかったことがない。新型コロナウイルスにもかからなかった。実は感染していたけど、症状が出る前に体内で退治したのかもしれない)。
毎年の定期健診は、仕方なし。荷馬車に揺られて出荷される子牛のような心境だ。
ちなみに、私は、歯科医では治療中、ずっと目を開けている。
何をされるか、気になるからだ。
「歯科医で目は開けたままか、閉じるか問題」については以前、何人かの歯科医師を取材して記事を書いたことがある。
歯科医師としては、削りかすや水が飛んで目に入ってはいけないので、患者には目を閉じてもらうほうがいいそうだ。
だいたい、大人は言われなくても目を閉じる。子どもは不安がって目を開けたまま。気分が悪い時に、目で必死に訴えてくる患者もいるのだとか。
私は、子どもと一緒なのだなと思った。
そういえば、私が使っていた散髪バサミのパッケージ。お母さんが子どもの髪を切ってあげている情景の写真が載っていた。
(上記の商品は、私が愛用するジェル歯磨き。歯科医に勧められて使い、気に入った。高いけど、その価値は十分ある)
<覚えられるのが好きでない>
話を元に戻す。
理髪店や美容院が苦手な理由は、もうひとつある。
通りすがりみたいな関係というか、親しくなりたいわけでもない相手に覚えられるのが、あまり好きではないからだ。
例えば、私は、コンビニでタバコを買うけど、店員が私の顔を覚えて、私を見るなり、私が買う銘柄のタバコを取りに行くようになると、そのコンビニには行かなくなる。
なお、私は、人間嫌いではないし、他人との会話が苦手でもない。
むしろ、雑談が好きで、初対面の相手にも話しかけるほうだ。
私にとって、雑談は、自分の考えを整理し、会話の中から何かひらめきを得るものだ。
例えば、私も、妻も、雑談が好きだが、タイプは違う。
妻は、場を和ませるムードメーカー。話し上手で聞き上手、みんなで楽しく過ごそうよという会話の仕方だ。雑談でさえ相手がしゃべった内容をよく覚えている。
私は、頭に浮かんだことがどんどん口から出るタイプ。良く言えば話題が豊富、悪く言えば会話が散漫。空想の世界に入ると、相手の話が耳に入らなくなり、適当に相槌を打つ。
タイプが違うので、私が「そういえば、あの件、実はこうなんだって」と話すと、妻に「それ、こないだ、私が教えてあげたことだよ」と返されるといったことがよくある。
妻の感覚からすれば、顔を見るなりタバコを取りに行ったコンビニの店員の件は、「私なら、うれしいよ。気が利く店員なのに、(もう行かないなんて)かわいそう」だとか。
今週のお題「美容室でする話」