「コナン・ザ・グレート」(1982年、米国)
主演したアーノルド・シュワルツェネッガーの出世作。
主人公コナンが悪の首領タルサ・ドゥームに幼い頃、両親を殺され、自らは奴隷にされながらも成長して剣士となり、タルサを倒す復讐の物語。
ストーリー良し、映像良し、音楽良しの三拍子。最も好きな映画だ。
子どもの頃、テレビで見て気に入った。ビデオテープやDVDを買って何度も繰り返し見ている。
以下、見どころのyoutube動画(それぞれ3分程度)を交え、あらすじを紹介。
anvil of crom
オープニング。
「that which does not kill us makes us stronger」というニーチェの言葉が冒頭表示される。
一般的に「生ある限り、すべてが試練だ」と訳される言葉だが、直訳すると、タルサに殺されず生き延びたコナンが成長し、タルサを倒すというストーリーを象徴しているようで、面白い。
「これは後にアキロニアの王になったコナンの物語だ」的なナレーションが1分ほどある。
少年コナンは鋼の剣を作る山奥の村に生まれ育っており、ナレーションに続き、剣を作るシーンになり、テーマ曲が流れる。
この曲がいい。わくわく感を存分にそそる。サウンドトラックを持っていて時々聴く。
なお、冒頭のナレーターは物語中盤から登場する東洋人の魔法使い。
riders of doom
序盤いきなり緊迫。
タルサ率いる騎馬の一団が鋼の剣を求め、コナンの村を襲撃する。
この場面の音楽がスリリングで、すごくいい。これもサウンドトラックで聴く。
村は焼き払われ、大人は皆殺し。
コナンの父(鋼の剣を持ったヒゲ面の男)は奮闘するが、力尽き、軍用犬に噛み殺される。
コナンの母(金髪の女)もこのシーンの後、父の剣を奪ったタルサに首をはねられる。
the wheel of pain
コナンら村の子どもたちは奴隷として売られる。
荒野にあるぐるぐる回す機械につながれ、来る日も来る日もぐるぐる回す。
月日が経ち、力尽きて死んだのか、機械につながれた子どもの数が減っていくが、コナンは生き延びる。
青年になり、1人で機械を回すコナンが顔を上げ、瞳に宿した強い意志をうかがわせるシーンが見せ場。音楽がうまく盛り上げている。
このシーンの後、コナンは商人に買い取られ、見世物の剣闘士となる。
連戦連勝、無敵のコナンは主人である商人に気に入られ、ある日突然、解放され、自由の身となる。
弓の名手サボタイ、女剣士ヴァレリア(コナンと恋仲になる)と知り合い、蛇を祀る教団の塔に侵入。
この教団はタルサを教祖とする教団だった。
塔から財宝を奪って生還したコナンらは豪遊していたところ、オズリック王に捕まる。
オズリック王は、タルサの教団に引き込まれ洗脳された娘、ヤスミナ姫の救出をコナンらに依頼する。
強大な力を持つタルサとの闘いに、ヴァレリアやサボタイは反対。
親の仇を打ちたいコナンは単身、タルサの本拠地「力の山」に向かう。
しかし、潜入に失敗して捕らえられ、半殺しにされて荒野の「嘆きの樹」に縛りつけられ放置される。
ハゲタカにつつかれ、死にかけたところ、サボタイが見つけだし救出。
palace battle
ヤスミナ姫を連れ戻すため力の山に忍びこんだコナン、ヴァレリア、サボタイが大暴れ。
教団ナンバー2の高僧(斧を持ったヒゲの大男)が騒ぎを知って駆けつけ、コナンの顔を見て漏らす「you」というひと言がいい。「貴様、生きていたのか」的な。
ナンバー2は強いのだが、この戦闘では、教団ナンバー3の戦士(ハンマーを持った大男)がコナンを殴ろうと振り回したハンマーが石柱に当たり、崩れ落ちた石柱の破片がナンバー2を直撃。
その間にコナンらは逃走する。
このシーンの後、コナンらはヤスミナ姫の連れ出しに成功するが、タルサの蛇の矢に射られてヴァレリアが死んでしまう。
コナンはタルサへの復讐の念を強める。
conan's prayer to crom
物語のクライマックス。
ヤスミナ姫を取り戻そうとタルサの一団が攻めてくる。
サボタイとともに迎え撃つコナン。
音楽が、序盤の村襲撃シーンと同じというのもいい。
近づいてくる敵を前に、コナンは鋼の神クロムに祈りを捧げる。
「grant me revenge(復讐を遂げさせてくれ)」と。
do you wanna live forever
わなを使ってナンバー3の戦士を倒したコナンに、ナンバー2の高僧が襲いかかる。
剣を落とし、倒れたコナン。
危うしというところ、ヴァレリアの幻影が現れ、助太刀する。
コナンは逆襲に転じ、ナンバー2を滅多斬りにして倒す。
この場は負けだと悟ったタルサは逃走する。
ところで、この一連のシーンで興味深いのは、幻影のヴァレリアがピンチから救った後に言うセリフ「do you wanna live forever」だ。
ヴァレリアの口癖というか、決めセリフで、物語前半、3人が教団の塔から逃げる時、塔の最上階から、ヴァレリアが「do you wanna live forever」と叫んで、下のプールに飛び込み、コナンらも続くというシーンがある。
塔から脱出する時のセリフは、DVDの日本語字幕では「跳べー」となっている(日本語吹き替えは「捕まえてごらん」)。
終盤のピンチから救った後のセリフは、日本語字幕では「命が惜しいの?」と訳されている(日本語吹き替えは「戦うのよ」。昔テレビで見た時は「頑張って」だったと思う)。
これらの翻訳は「命が惜しいの?」を除き、翻訳として悪くはないし、それぞれ場面には合っているとは思うが、どうにも味気ない。
同じセリフ、ヴァレリアの口癖だから、コナンが勇気づけられるというところに意味があると思うので、同じ日本語訳にしてほしい。
でないと、日本語字幕や日本語吹き替えでは同じセリフだということが分かりにくい。
どう訳すのがベストかは分からないが「生きるのよ」みたいな素直な訳でいいんじゃないだろうか。
このシーンの後、いよいよ、タルサとの最後の闘いになるが、これはあっけなくて拍子抜けする。
(2017年7月8日Facebook投稿を転載)