ホレス・シルバー「ブローイン・ザ・ブルース・アウェイ」
Horace Silver 「Blowin' The Blues Away」
朝、車を走らせる時によく聴く曲は、ジャズピアノ奏者ホレス・シルバーの「ブローイン・ザ・ブルース・アウェイ」(1959年の同名アルバムに収録)。
疾走感あふれる爽快な曲で、眠気が吹き飛び、元気が出る。ホーンが威勢よく鳴り響き、ピアノソロは軽やかで弾むようだ。
同じアルバムの収録曲「シスター・セイディ」は、♪ダーン、ダンッ、♪パッパパラララ、パーパッ…と、ピアノとホーンが掛け合いを繰り返す導入部に気分が浮き立つ。
コール・アンド・レスポンスというのか。アート・ブレイキーの「モーニン」の冒頭みたいな掛け合いで、印象的だ。
シルバーは作曲センス抜群で、乗りがよく親しみやすいメロディーをつむぐ。
ピアノ奏者なのに、トランペット、サックスといったホーンのかっこよさを引き立てる曲が多いのが面白い。前半はホーンで聴かせ、後半にピアノソロという感じだ。
おそらく、シルバーにとって、ホーンは「歌」。この歌心が親しみやすさのもとだと思う。
ピアノ奏者としては、たいしたことがないのかというと、そうではない。
シルバーの演奏は、とにかく軽やか。
その軽やかさが最高に表れている「ソング・フォー・マイ・ファーザー」(1965年の同名アルバムに収録)もお勧めだ。♪タタタ、タランタランタランタラン…と軽やかに、じゃれるような演奏は、えもいわれぬ味わい深さがある。