イングヴェイ・マルムスティーン「アルケミー」
Yngwie Malmsteen 「Alchemy」
メタルの速弾きギター奏者イングヴェイ・マルムスティーンを聴くなら、歌のないインストゥルメンタル曲がお勧めだ。
豊かな曲想は、速弾きを強調せず適度に緩急を付けた曲で見せる。例えば異色作「ブルー」(1999年のアルバム「アルケミー」に収録)。イングヴェイ流のブルースで、情感たっぷりだ。速弾きを交え、ギターを泣かせまくる。これが、かっこいい。
同じアルバム収録の「アサイラム2 スカイ・ユーフォリア」もなかなか。アコースティックギターで、もの悲しく美しい音色を奏でる。
イングヴェイの曲では「トリロジー・スーツ・オーパス5」(1986年のアルバム「トリロジー」に収録)も好きだが、この曲は中盤以降、中だるみ感がある。全力疾走する序盤がとてもいいのに、もったいない。
アルバム「アルケミー」で「アサイラム1」「アサイラム2 スカイ・ユーフォリア」「アサイラム3 クアンタム・リープ」の3曲を組曲と考えた場合、通して聴くと、7分20秒ほどの「トリロジー・スーツ・オーパス5」よりも長い11分程度あるが、中だるみは感じない。
このへんは、イングヴェイの進化なのだろう。