てっちレビュー

新聞記者が綴る読書、音楽、映画・・・etc.あと、記者の仕事あれこれ

セルジオ・メンデス「モーニン」 ジャズの定番曲をポップにアレンジ ブレイキーの泥臭い演奏とは違った味わいがあり好演 (おすすめ名曲名盤)

セルジオ・メンデス「モーニン」

Sergio Mendes & Brasil '66 「Moanin'」

 

ブラジル出身のピアノ奏者セルジオ・メンデスは1960年代のボサノバ・ブームの火付け役の1人だ。

ヒット曲「マシュ・ケ・ナダ」は、ポルトガル語で歌う曲としては異例の世界的な人気を獲得した(1966年のアルバム「セルジオ・メンデス&ブラジル‘66」に収録)。

 


www.youtube.com

 

ブラジルの歌手ジョルジ・ベンの作品のカバー。

女性歌手2人のコーラスを取り入れたアレンジが秀逸だった。

セルジオのピアノもいい。

♪タタタタ、タータタ、タタータータータ、タタタタ…というキャッチーなイントロは、わくわくする。

 

もともと、ジャズピアノ奏者ホレス・シルバーに憧れ、ジャズに傾倒した。

シルバーの演奏スタイルに学び、母国では「ブラジルのホレス・シルバー」と、評されたらしい。

ブラジル音楽とジャズが融合したボサノバに軸足を移していき、さらにポップにアレンジした「セルメン・サウンド」を確立した。

「マシュ・ケ・ナダ」のヒットで一躍注目されるのだけども・・・

セルメン・サウンドは、親しみやすく乗りの良いシルバーの音楽から、大きな影響を受けているのかもしれない。

 

面白いことに、ブレーク前の1961年のアルバム「ダンス・モデルノ」では、シルバーの名曲「ニカズ・ドリーム」をカバーした。

オリジナルと違ってホーンがなく、ピアノが前面に出る。

軽やかなタッチで演奏する姿に、シルバー愛を感じる。

ただ、特に目新しさはなく、本当にカバーしただけだ。

 

これと比べれば、オリジナルのほうが遥かに好きだ(シルバーの軽やかに弾むピアノソロが聴きどころ)。

 


www.youtube.com

 


www.youtube.com

 

ブレーク後の1969年のアルバム「イエ・メ・レ」では、ドラム奏者アート・ブレイキーの演奏で知られるジャズの定番曲「モーニン」をカバーした。

女性コーラスを前面に出し、大胆なアレンジを施して、ポップ色が強く、同じ曲とは思えないほど。

しっかりと、セルメン・サウンドに仕上げている。

 

泥臭いブレイキーの演奏も好きだが、これはこれで違った味わいがあり、好演だ。

 


www.youtube.com

 


www.youtube.com

 

シルバーの演奏スタイルを表面的になぞるのではなく、自分なりに消化して、自分ならではの親しみやすく乗りの良い音楽を作るには、どうするか。

「ニカズ・ドリーム」と「モーニン」の仕立て方の違いにセルジオの進化がうかがえる。

欲を言えば、セルメン・サウンドの「ニカズ・ドリーム」を聴いてみたかった。

 

www.tetch-review.com

www.tetch-review.com

www.tetch-review.com

 

ダンス・モデルノ

ダンス・モデルノ

Amazon