INXS「キック」
INXS 「Kick」
豪州出身のファンクロックバンド、INXS(インエクセス)は、1987年のアルバム「キック」に尽きる。良い曲ぞろいで、傑作だ。
高校年代ごろ、レンタルCD店で借り、テープにダビングして聴いていた。
INXSは、ファンクの色気とロックの力強さを兼ね備える。
ビートルズやローリング・ストーンズ、そして、プリンスのファンらしい。プリンスも関心を寄せていて、ライブでINXSの曲をカバーしていたようだ。カリスマ的なボーカルのマイケル・ハッチェンスの歌声やルックスは、ドアーズのジム・モリソンに例えられた。
このアルバムの収録曲「ニュー・センセーション」は、一番好きな曲だ。
プリンスをちょっと思い起こさせるファンクさに、ロックの力強さが加わった感じで、まさにINXSをよく表す曲。♪チャラララー、チャラララ、チャッチャ…というフレーズを繰り返すギターがかっこいい。そして、途中の一瞬の間。力強く弾むように歌うハッチェンスが途中に漏らす「ハァ…」というため息みたいな声もいい。
オープニングを飾る曲「ガンズ・イン・ザ・スカイ」は、イントロの「ウッ、ウッ、ア~ハハン、ハッ…」という叫びがいい。♪ジャーンジャ、ジャジャ…というギターリフの繰り返しに、言葉を短く刻むような歌。2曲目の「ニュー・センセーション」に続く流れもいい。
3曲目の「デビル・インサイド」は、少しダークで妖しい雰囲気を醸し出す。「アハハンハッ…」というハッチェンスの声に色気が漂う。
ハッチェンスの歌声は、ジム・モリソンに似ていると言われるが、私は、カーズのベンジャミン・オールが思い浮かぶ。当時、カーズをよく聴いていたからかもしれない。
(ちなみに、カーズは、曲によって、ベース奏者のベンジャミンか、リズムギター奏者のリック・オケイセックのどちらかがリードボーカルを担当する。ビートルズみたいなスタイルだ。私が好きな曲は、ベンジャミンがリードボーカルを務める曲)。
続く4曲目の「ニード・ユー・トゥナイト」は、冒頭のささやき声がいい。
ほかのアルバムで好きな曲は、「スーサイド・ブロンド」(1990年のアルバム「X」に収録)。ゲストのブルースハーモニカ奏者チャーリー・マッセルホワイトの演奏がかっこいい。
1991年のライブ盤「ライブ・ベイビー・ライブ」は、代表曲がそろい、ベスト盤と言えるような内容だが、同じ曲を聴くなら、私は、オリジナル(スタジオ録音)のほうが好きかな。