ZZトップ「イリミネイター」
ZZ Top 「Eliminator」
あごひげが長くむさ苦しい男らの3人組ZZ(ズィー・ズィー)トップは、男臭いブルースロックにシンセサイザーを組み合わせ、好評を博した。
シンプルで武骨なロックを追求してきたZZトップが1983年のアルバム「イリミネイター」と85年の「アフターバーナー」で本格的に取り入れたことには批判的な見方もあったようだ。
だが、この2枚はヒットして代表作となった。
ZZトップを初めて聴いたのは高校年代の頃。
日本では、人気の出なかったバンドで、周囲の誰も知らないZZトップになぜ引かれたのかは覚えていない。
当時、カーズが好きだったので、それに通じる車のジャケットに何かひらめいて「イリミネイター」を手にしたのだろうか。
ちなみに、欧米では「AC/DC to ZZ Top」と表現されるくらい代表的なロックバンド。
日本で人気が出なかったのは、男臭い音楽に加え、むさ苦しい外観で損をしたのだろうか。
私がZZトップにはまった頃、周囲で人気があったのは、ボン・ジョヴィとか。
ボン・ジョヴィも悪くないけど、私はZZトップのほうが好きだ。
最高傑作「イリミネイター」は、シンセが出すぎず、ヘビーなギターがさえる。
すぐに気に入って当時、毎晩のように聴いた。
収録曲「ギミ・オール・ユア・ラヴィン」「シャープ・ドレスト・マン」「アイ・ガット・ザ・シックス」が特にいい。
シンセ感が強いのは収録曲「レッグス」。これもかっこいい。
余談だが、「レッグス」と言えば、アート・オブ・ノイズにも「レッグス」という曲がある。
これは、聴いたら、たぶん、知っている人が多いはず。
Mr.マリックのテーマ曲と言えばいいだろうか。
ZZトップにはまったことは、同様に男臭いロックバンド、AC/DCを聴くきっかけにもなった。
例えば「ギミ・オール・ユア・ラヴィン」とAC/DCの「フー・メイド・フー」は雰囲気が似ていて、どちらも好きだ。
後発のAC/DCのギター奏者アンガス・ヤングはZZトップを愛聴していたらしい。
方や、ZZトップのギター奏者ビリー・ギボンズは、シンプルで武骨なロックを貫くAC/DCを尊敬していたようだ。
ZZトップはその後、シンセ路線を引っ張りすぎて失速し、低迷した。
復活作と言えるのは2012年のアルバム「ラ・フューチュラ」。
収録曲「フライイン・ハイ」がいい。
AC/DCの名曲「狂った夜」を思い起こさせ、あの頃のZZトップに戻ったなと感じた。
ベース奏者ダスティ・ヒルが2021年に亡くなり、もう新作は出そうにないが、再び輝いたのがうれしい。