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リターン・トゥ・フォーエバー「浪漫の騎士」 チック・コリアのピアノソロが聴きどころ パコ・デ・ルシアと共演した「イエロー・ニンバス」に匹敵する熱演 (おすすめ名曲名盤)

浪漫の騎士

浪漫の騎士

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リターン・トゥ・フォーエバー「浪漫の騎士」

Return To Forever 「Romantic Warrior」

 

ピアノ奏者チック・コリアが結成したフュージョンバンド、リターン・トゥ・フォーエバーの曲「浪漫の騎士」が素晴らしい。チックの熱いソロ演奏が聴ける。

1976年の同名のアルバムに収録。

 


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静かに始まり、♪タッタッタラター、タッ、ターター…というメロディーと、♪タララララララララン…という速弾きを繰り返しながら展開する。タイトル通りにロマンチックな曲だ。

5分20秒辺りから、速弾きギター奏者アル・ディ・メオラのソロが1分半ほどあり、トレモロのような詩的で美しい速弾きを交えながら、徐々に盛り上げていく。

7分20秒辺りから、♪タンタン、タララン、タンタン、タッタッタッタ…と始まり、1分半ほど続くチックのソロが聴きどころ。特に8分20秒辺りからの30秒ほどが圧巻だ。

このチックのソロは何度も繰り返し聴いてしまう。チックの数ある演奏の中でも屈指の熱演だと思う。

これに匹敵するチックの熱演が聴けるのは、1981年のライブ・アンダー・ザ・スカイで、フラメンコギター奏者パコ・デ・ルシアと共演した「イエロー・ニンバス」くらいではないか。

 

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パコといい、ディ・メオラといい、2人の天才ギター奏者がそれぞれ、チックの熱演を引き出しているというのが面白い。

2008年のモントルー・ジャズ・フェスティバルで再結成されたリターン・トゥ・フォーエバーのライブ盤「リターンズ」でも「浪漫の騎士」を演奏しており、即刻買って聴いた。

期待が大きすぎたせいか、老いたな~というのが率直な感想だが、でも、懐かしくなった。

 


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アルバム「浪漫の騎士」は、ほかにも良い曲がそろう。

収録曲「道化と暴君の決闘」ではチックは中盤、シンセサイザーで熱いソロを見せる。

後半は、♪パワパワパワッ、パパーパー…みたいなコミカルなシンセの演奏が、ディ・メオラの速弾きと交互に展開される。

 


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収録曲「荘厳な舞踏」も、コミカルなシンセとギターの掛け合いがある。

ロックっぽい雰囲気の曲だ。

 


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収録曲「女魔術師」は、ファンキーなイントロが印象的。

その後、スティーリー・ダンのアルバム「彩(エイジャ)」「ガウチョ」を思わせるような粋で美しい演奏になる。

ディ・メオラのギターがさえる。チックは幻想的なシンセの演奏と美しいピアノソロを見せる。

 


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余談・リック・ウェイクマンの「アーサー王と円卓の騎士たち」

リターン・トゥ・フォーエバーのアルバム「浪漫の騎士」はタイトル通り「中世」を題材にしている。

チック・コリアと仲が良かったプログレッシブロックバンド、イエスのキーボード奏者リック・ウェイクマンが、1975年に「アーサー王と円卓の騎士たち」というソロアルバムを放ったことと関係があるのだろうか。

 

アルバム「アーサー王と円卓の騎士たち」は、本当に中世のイメージどっぷりだ。

ウェイクマンは、キース・エマーソン(プログレバンド、ELPのキーボード奏者)みたいなピロピロな演奏を見せている。

収録曲「魔術師マーリン」「王妃グィネヴィア」がいい。

 


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