マイアミ・サウンド・マシーン「コンガ」
Miami Sound Machine 「Conga」
妻がOfficial髭男dism(ヒゲダン)のファン。
私も何度か、一緒にライブに行ったのだけども、ヒゲダンの曲「ノーダウト」を初めて聴いた時、私の頭にすぐ思い浮かんだのは、マイアミ・サウンド・マシーンだ。
ヒット曲「コンガ」を思い出し、懐かしくなった。
マイアミ・サウンド・マシーンは、キューバ出身のラテンポップ歌手グロリア・エステファンを看板とするバンド。
私は中学高校年代の頃、渡辺美里のファンで、同じく美里好きの友人に勧められたのが、マイアミ・サウンド・マシーンとの出会いだった。
美里のように力強いグロリアの歌に惹かれ、さらに、もともと、父の影響でラテン音楽に親しんでいたこともあって、すぐ気に入った。
大好きな曲「リズムでゲット・ユー」は軽快なダンスナンバー(1987年のアルバム「レット・イット・ルース」に収録)。
シンセサイザーを多用しており、いかにも1980年代の雰囲気だ。
もちろん、ラテン風味はあるが、「コンガ」ほどではない。
「オエーオエ(オエーオエ)、オエーオーア(オエーオーア)」と掛け合う叫び声で始まり、♪ドゥン、ドゥン、ドゥン…とドラムがきて、泡泡感というか、キラキラ感のあるシンセのメロディーが流れる。
このイントロがいい。
時代の空気と言えば、バンドの最初のヒット曲「ドクター・ビート」もそうかもしれない(1984年の同名アルバムに収録)。
ふと、マイケル・ジャクソンを思い出すような曲。
マイケルの曲「ビート・イット」が頭に浮かんだ。
まさに、この時代のポップソングという感じだ。
マイアミ・サウンド・マシーンは、もともと、グロリアの母国語、スペイン語で歌う曲を作っていた。全曲英語のアルバム「ドクター・ビート」を発表し、タイトル曲がヒットして名を上げた。
1985年のアルバム「プリミティブ・ラブ」で、キューバの祭りの音楽を取り入れた曲「コンガ」を世に問い、これが当たった。
そして、グロリアはソロ名義の活動に改めた1989年のアルバム「カッツ・ボース・ウェイズ」で満を持して、スペイン語で歌う曲「オエ・ミ・カント」を放つのだ。
この曲はグロリアの最高傑作だと思う。
だから、マイアミ・サウンド・マシーンの曲で、バンドの個性がはっきりと打ち出されているのが「コンガ」だ。
キューバの太鼓コンガが前面に出て、ラテンムード満点。
さらに、雰囲気を高めているのが、ピアノだ。
♪タンタンタタン、タンタンタタン…というイントロでの演奏はもちろん、後半のソロでの速弾きがいい。
「リズムでゲット・ユー」よりラテンを感じるのは、このピアノゆえだと思う。
グロリアの2001年のベスト盤「グレイテスト・ヒッツ VOL.2」には、「コンガ」の新バージョン的な曲「イ・トゥ・コンガ」がある。
途中に「リズムでゲット・ユー」「ドクター・ビート」のフレーズが少し入り、メドレー風な構成。「コンガ」と合わせ、この3曲を選んだ点が興味深い。
やっぱり、マイアミ・サウンド・マシーンの節目になる曲で、グロリアにとっても思い入れのある曲なのかなと想像する。