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スティーリー・ダン「ペグ」 癖になる軽快なメロディーはラリー・カールトンが「ルーム335」で拝借 デビッド・サンボーンもカバー (おすすめ名曲名盤)

彩(エイジャ)

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スティーリー・ダン「ペグ」

Steely Dan 「Peg」

 

スティーリー・ダンは、ドナルド・フェイゲン(キーボード、ボーカル)と、ウォルター・ベッカー(ベース)が多数のミュージシャンを雇って厳選した演奏で曲を作るユニットとして知られる。

初期のバンド形態は途中で崩壊し、曲はジャズ・フュージョン色を強めていった。

 

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私は、過渡期の1976年のアルバム「幻想の摩天楼」が一番好きなのだが、成熟期の77年のアルバム「彩(エイジャ)」の収録曲「ペグ」も大好きだ。

 


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♪タッタッターン…という軽快なメロディーが繰り返され、癖になる。

初期の泥臭さを残しており、フェイゲンのハスキーボイスともよく合う曲だ。

イントロの♪ワウワウワウ…みたいな音が面白い。ギターだろうか。

ポキポキした音色のギターもいい。

この曲のギター奏者はスティーブ・カーン。

ただし、ギターソロは、ジェイ・グレイドンが演じる。これが初期のダンを思わせる演奏で、郷愁を誘われる。

初期のヒット曲「リーリング・イン・ジ・イヤーズ」(1972年のアルバム「キャント・バイ・ア・スリル」に収録)を思い出した。

 


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フュージョンのギター奏者ラリー・カールトンの曲「ルーム335」が、♪タッタッターン…という「ペグ」のメロディーを拝借したことは、よく知られる。

カールトンは「ペグ」のセッションに呼ばれてソロを弾き、採用されなかったのだけども、この曲が気に入ったらしい。

「ルーム335」は、カールトンのアルバム「夜の彷徨(さまよい)」(1978年)に収録。

 


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夜の彷徨(さまよい)

夜の彷徨(さまよい)

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ちなみに、カールトンは、ダンの曲「滅びゆく英雄(キッド・シャールメイン)」(アルバム「幻想の摩天楼」に収録)では、ソロで名演を見せている。

 


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「ペグ」は、私が大好きなサックス奏者デビッド・サンボーンがカバーしている。

正確に言うと、キーボード奏者マイク・マンデルが、アルバム「スカイ・ミュージック」(1978年)でカバーしていて、参加したサンボーンが歌の部分を吹く。

「ペグ」をサンボーンが吹いているというだけで、わくわくしてしまう。

 


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アルバム「彩(エイジャ)」では、収録曲「ジョジー」も、なかなかいい。

 


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この曲では、カールトンがギターを弾くが、ギターソロは、なぜか、ベッカー。

カールトンは、心残りがあったのだろうか。

自らの1989年のアルバム「オン・ソリッド・グラウンド」で「ジョジー」をカバー。ここでは、もちろん、ソロもカールトンが弾く。

曲全体では、オリジナルが好きだけど、ギターソロに関しては、カールトンの演奏が好みだ。

 


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ちなみに、アルバム「オン・ソリッド・グラウンド」には、デレク・アンド・ザ・ドミノスの名曲「いとしのレイラ」のカバーもある。

私は当時、これ目当てでCDを買った。

エリック・クラプトンの熱い思いが込められた原曲には、及ばないけども、いい演奏。

 


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