チック・コリア、ボビー・マクファーリン「プレイ」
Chick Corea & Bobby McFerrin 「Play」
声を楽器のように操るボビー・マクファーリンを、ピアノ奏者チック・コリアがうまく引き立て、盛り上げている。
1990年の共演を収めたライブ盤「プレイ」。
ボビーは1988年に代表曲「ドント・ウォーリー・ビー・ハッピー」をヒットさせ、伸び盛り。
若い才能と出会い、チックが張り切っているのがわかる。
ライブ盤「プレイ」は、チックの名曲「スペイン」が圧巻だ。
♪ダダタ、ダダタ…と風雲急を告げるようなチックのピアノで始まる。
冒頭から、この熱の入れよう。
いったん、静かになり、おもむろに、「トゥルル〜」とボビーの声。
この曲のイントロに使われた「アランフェス協奏曲」のメロディーだ。
「ロロロロロ…」と声を震わせる歌い方も見せる。
3分10秒あたりから、これもボビーの声技なのだろうか、♪コンコンコン…という音の後、♪タッタラタラタラッタッタ…とスペインのテーマになる。
「アッ、アッ」という歌い回しが面白い。
そして、チックとの掛け合い。
4分15秒あたりからチックが前に出る。
ボビーは「ドゥドゥドゥ…」といった声で合いの手を入れる。
6分10秒あたりからのボビーのスキャットがいい。
ここからが聴きどころ。
6分50秒あたりから盛り上がる。
7分30秒あたりからのチックとの絡みもいい。
いったん落ち着き、2人のじわじわな温めを経て、「スペイン」のテーマで締めくくる。
収録曲「ブルース・コノテーション」も、掛け合いがよく味わえる名演。
フリージャズの巨人オーネット・コールマン(サックス奏者)の変な曲をかっこよくアレンジしている。
ボビーのスキャットで始まり、チックがじわじわと入ってきて、掛け合う。
1分30秒あたりから、チックが軽やかな演奏。
2分20秒あたりから、ボビーがまた出る。
ここからの掛け合いが聴きどころ。
「ティロリロリロリリー」(ボビー)、♪ダーン、ダーンダン(チック)という感じ。
スリリングな掛け合いが6分20秒あたりまで続く。
ボビーは「ホホー!」といった奇声も交える。
最後は「ハァー、ハァー…」といったボイスパフォーマンス。
この「ハァー」が次の曲につながる余韻となる。
次の曲は、ジャズの定番曲「ラウンド・ミッドナイト」。
「ハァー、ハァー、ハァー、ハァー、ハァー」というボイスパフォーマンス。
それから、「ピロレリララ…」と、この曲のテーマを声で奏でていく。
4分30秒~6分50秒あたりのチックのゆったりと美しいソロも聴き逃せない。
「ラウンド・ミッドナイト」は、ジャズの帝王マイルス・デイビス(トランペット奏者)の渋い演奏がよく知られると思う。モダン・ジャズ・カルテットの演奏もなかなかいい。ミルト・ジャクソンが奏でるヴィブラフォンの音色が美しい。傑作アニメ「ルパン三世」を思い起こさせるような、しゃれた雰囲気だ。

