ハービー・ハンコック、ジャコ・パストリアス「カメレオン」
Herbie Hancock , Jaco Pastorius 「Chameleon」
電化路線を走っていた頃のハービー・ハンコック(ピアノ奏者)が名曲「カメレオン」で、ジャコ・パストリアス(ベース奏者)と共演したという。
1977年のライブでのこと。
ジャコのファンとしては、聴かずにいられない。
「ハービー・ハンコック ウィズ ジャコ・パストリアス」という適当なタイトルの怪しげなCDを入手して、聴いた。
♪ドゥドゥドゥ、ドゥッ、ドゥッ、ドゥッ…というテーマのフレーズが、ジャコの演奏で繰り返されるイントロに、期待が膨らんだ。
1分10秒あたりで、サックス奏者ベニー・モウピンが登場。
♪プワラッ、プワラッ、プワラッ、プワーパッ…と、おなじみのメロディーを奏でる。
3分あたりから、マラカスだろうか、シャカシャカ音が加わる。
これが、いいアクセント。
その後、ハービーも加わる。
6分10秒くらいからが聴きどころだ。
テーマのフレーズが、原曲のように、ハービーのキーボード演奏に交代。
ジャコは、♪ギューン、ギューン…と歪ませた音色を響かせる。
8分あたりから、ジャコが、また、テーマのフレーズに戻る。
ハービーは、♪ミュミューン…とコミカルな音を出す。
8分40秒あたりの♪ビュビュビュビュビュビュ…という演奏も面白い。
その後、ピロピロな演奏。
11分20秒あたりからは、♪ピシュー、ピシュー…とゲームの効果音みたいな演奏。
12分すぎから、モウピンが復帰し、ハービーと絡みながら、締めくくる。
終盤は「あれっ? ジャコ、いたっけ?」状態だ。
(「カメレオン」の原曲は、ハービーの1973年のアルバム「ヘッドハンターズ」に収録)。
「ハービー・ハンコック ウィズ ジャコ・パストリアス」は、やっぱり、電化ハービーはええな~と思わされるライブ盤。
モウピンの熱演が際立つ。
アルトゥーロ・サンドヴァル(トランペット奏者)を思わせる超音波ブロウを見せる。
何となく、ジョン・ゾーン(サックス奏者)を思わせる、へっぴり腰なブロウも。
もちろん、ハービーは好調。気心知れたモウピンと、伸び伸び、はじける。
ジャコも悪くはない。悪くはないけど、埋没した感じだ。
モウピンが主役と言える収録曲「ハング・アップ・ユア・ハング・アップス」が、このCDの最大の目玉。
熱気が吹き付けてくるようだ。
ハービーのキーボードも冴えている。
メンバー紹介が終わり、3分くらいから、本格スタート。
まずは、ジャコが前面に出て、自作曲「ティーンタウン」のライブ演奏でよくやるフレーズのひとつを繰り返す。
♪タラッタ、タータラタラ、タラッタ、タータラタラ…と。
4分あたりから、モウピン登場。最初は、おとなしめ。徐々に加熱する。
6分20秒〜40秒あたりでは、♪プワララ、プワララ…みたいな速吹き、♪プヒーッ…といったブロウを見せる。
聴きどころは、この後だ(このへんから、ジャコは埋没)。
超音波ブロウは、8分27~30秒あたりと、10分5~10秒あたり。
へっぴりブロウは、8分50秒~9分あたり。
10分30秒くらいで、いったんクールダウン。モウピンは汗ダラダラだろう。
11分くらいからは、ハービーが美しいキーボード演奏で最後まで引っ張る。
12分50秒~13分20秒あたり、♪タラララ、タラララ…と軽やかな演奏がいい。
終盤は、ジャコがチラチラと顔をのぞかせる。でも、すぐ埋もれる。
収録曲「ジャコ・ベース・ソロ」は、文字通りジャコのソロ。
得意フレーズ連発なので、ホッとするけど、ほかのライブでのソロと比べると、物足りない。特に、前半。
ジャコよ、いったい、どうしたのだ。
名曲「処女航海」では、ハービーとジャコがデュエット。
趣向は面白いが、この曲は、やっぱり、ホーンが入ったほうが好みだ。
この2人のデュエットは、ジャコのアルバム「ジャコ・パストリアスの肖像」(1976年)の収録曲「クル/スピーク・ライク・ア・チャイルド」が最高だ。
速弾きの応酬が圧巻。
