エマーソン、レイク&パーマー「タルカス」
Emerson, Lake & Palmer 「Tarkus」
プログレッシブ・ロックのキーボード奏者で一番好きなのは、リック・ウェイクマン。
アンダーソン・ブラフォード・ウェイクマン・ハウ(プログレバンド、イエスの分裂期に「イエス」を名乗れなかったほう)のアルバム「閃光」を聴き、ウェイクマンの流麗な演奏が気に入った。
それとは違う激しい演奏で、オルガンとシンセサイザーを使い分けて妖しい雰囲気を醸し出す。
「タルカス」を聴いて、そんなキーボード奏者キース・エマーソンを知った。
「タルカス」はプログレバンド、エマーソン・レイク&パーマー(ELP)の組曲(1971年の同名アルバムに収録)。
7個のパートで構成され、21分近い曲だが、全く中弛みもなく、最後まで引き込む。緩急の付け方が絶妙だ。
この組曲は、初期の戦車とアルマジロを合体させたような架空の怪物タルカスが、火山から現れて暴れ、海に去っていく物語をつづる。
まるで、特撮映画「八岐之大蛇の逆襲」(1985年)みたいなストーリー。
のちにガイナックスを設立する赤井孝美(鳥取県米子市出身)、樋口真嗣らが制作した「八岐之大蛇の逆襲」では、ヤマタノオロチが鳥取県の大山(だいせん)から現れ、米子(よなご)の街を破壊し、中海に去っていく。
赤井らは「タルカス」を聴いたのだろうかと想像が膨らむ。
「タルカス」では、テーブルトークRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)」、ゲームブック「ソーサリー」等でおなじみの怪物マンティコアとタルカスの戦いも表現される。
中学生の頃、「D&D」「ソーサリー」等にはまった者としては、なんだか、わくわくする。
「タルカス」は、通して聴くのがおすすめだけども、ここでは、特に好きな第1、第4、第6のパートに絞って書く。
あ、ELPは、エマーソンのほか、グレッグ・レイク(ベース、ボーカル)、カール・パーマー(ドラム、パーカッション)の3人組。「タルカス」は、レイクのギターも聴きどころだ。
第1パート「噴火」
オープニングのパートがいきなり聴きどころ。疾走感あふれ、荒々しい曲だ。
♪ファー…と夜明けのような音で始まったかと思うと、♪タカタカタタタタン、タカタカタタタタン…と風雲急を告げる。
オルガンとパーカッションの合奏。
♪タンタタンタタンタ、タンタタンタタンタ…とテーマのメロディーに展開し、♪ファワワワー、ファワワワー…とシンセでタルカスの咆哮を表す。
♪ジョワーン…と銅鑼。そして、また、走りだす。
第4パート「ミサ聖祭」
一番好きなパート。
♪ジャジャジャジャッジャージャ、ジャジャジャジャジャジャジャ…と、シンセのキャッチーなメロディーで始まり、リズミカルな歌が絡む。
♪チッチッチッチッ…とか、♪カンカンカンカン…と合いの手を入れるドラム、パーカッションも躍動感を高める。
そして、シンセがうねる、うねる。
♪ビュビュビュビュビュー、ビュビュビュビュビュビュビュー、ムァーン…と。
1分〜2分30秒あたりのエマーソンの演奏が聴きどころ。
途中から、パーマーがドラム連打で盛り上げる。
パーマーは、第5パート「マンティコア」でも、力強い演奏を見せる。
第6パート「戦場」
戦いを終え、「夏草や 兵どもが 夢の跡」という風情のパートだ。
レイクが切々と歌い上げた後の物悲しいギターが聴きどころ。
1分55秒〜2分20秒あたりと、2分35秒〜3分あたり。
フロイドの名曲「コンフォタブリー・ナム」で、デビッド・ギルモアが奏でるギターを少し思わせる情感だ。
最後に組曲「タルカス」まるごとのYouTube動画のリンクも張っておく。
ぜひ、どうぞ。
(以下の記事「ロックが演じたクラシックを考えてみた」で、東京フィルハーモニー交響楽団がカバーした「タルカス」にも触れてある)
(以下の記事「富士総合火力演習」で、「八岐之大蛇の逆襲」に触れてある)
