トーキング・ヘッズ「トゥルー・ストーリーズ」
Talking Heads 「True Stories」
先日、単身赴任先から自宅に帰った折、妻が「トーキング・ヘッズって、知ってる?」と尋ねてきた。意外な質問。
詳しくないけど、とりあえず知っているし、そこの棚にCDがある旨伝えると・・・
「トーキング・ヘッズの映画をBSで放送していたので、もしかして興味があるかと思って録画しておいた」とのこと。
なお、トーキング・ヘッズは米国のロックバンド。
ボーカルのデビッド・バーンの歌い方が個性的。
それくらいしか、知らない。
高校年代の頃にレンタルCDで1986年のアルバム「トゥルー・ストーリーズ」を聴いて気に入り、買ったけども、もう久しく聴いていない。
クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」みたいな伝記映画かなと思って、さっそく2人で見てみた。
いきなり、ライブの場面で始まり、バーン役とみられる俳優?が歌い出す。
おー、これこれ。こんな声。それにしても、こんなに声がそっくりの俳優、よく見つけてきたな、とか言っていたら、妻が「ライブを収めた映画だって」。
じゃ、これ、本物のバーン?
私はバーンの声は知っているけども、顔はよく覚えていなかったのだった。
この映画は「ストップ・メイキング・センス」(1984年)。
ライブを収めた映画と言えば、最近、「劇場版OFFICIAL HIGEDANDISM at STADIUM 2025」を見て、へぇ〜と思っていたところ。
こういう映画、昔からあるのか。
バーンは、痙攣したような歌い方が特徴だけど、ステージパフォーマンスもそんな感じなのだと、ライブ映像を見て、わかった。
カクカク動いたり、酔っ払いのようにふらついたりする。
やっぱり、変人なんだと思った。
ライブ映像を見たら、懐かしくなり、アルバム「トゥルー・ストーリーズ」を棚から引っ張り出した。
このアルバムは、力強く疾走する曲あり、エキゾチックで妖しい曲あり、カントリー調ののどかな曲ありとバラエティー豊かで、楽しい作品。
バーンの持ち味もよく出ていると思う。
一番好きな収録曲は「パズリン・エビデンス」。
シンセサイザーとドラムのアップテンポな前奏で、1分くらい引っ張り、満を持してバーンが出る。
バーンの歌と「パッズリーン・エバーデンス!」というコーラスとの掛け合いがいい。
このコーラスが頭に染み込む。
2分32秒あたりで、「ア、ア、ア、ア、ア…」とバーンの痙攣ボイス。
「フッフゥーフゥー」も飛び出す。
おまえはプリンスかという感じだ。
「ホー、ホー」とコーラスがこれに絡む。
終盤、4分30秒あたりからが聴きどころ。
シンセのグリングリンした演奏で熱気が高まり、「パズリン…(ホーホー…)パズリン…(ホーホー…)」とバーンとコーラスが掛け合いを繰り返す。
バーン「ウアーアーーー!フーフーフー」、コーラス「ホーホーホー」で締めくくる。
ヒット曲「ワイルド・ワイルド・ライフ」も好きだ。
バーンの怒っているかのようなダミ声が面白い。
そして、「オオオー、ワーイルド、ワーイルド、ライフッ!」というサビのコーラスが、これまた、頭に染み込む。
♪ダカダカ、ズンダダ、ズダッダ…と力強いビートで、この曲は始まる。これがわくわく感をそそる。
バーンの歌が始まり、0分22秒あたりで、「ハイライラッ!」と怒り声。
♪タララタララ…と軽快なギターに続く1分11秒あたりでは、「アラエッサッ!」と怒り声。安来節か?
1分45秒あたりからのすっとぼけた歌声は、ちょっと、リック・オケイセック(カーズ)を思い起こさせる。
2分15秒あたりからのギターがいい。
♪タンタンタンタン、タンタンタンタン、チャーチャカチャ…を繰り返しながら、だんだん、音が高くなる。
最後は「ワイルド、ワイルド、ワイルド、ワイルド、ラーーイフ」と歌って、♪チュルルル、チュルルル…とシンセ。
この音色が面白い。
収録曲「パパ・レグバ」は、エキゾチックで妖しい。
パーカッションの音色と、バーンの呪文のような歌が楽しめる。
♪シャララララ…という音に続いて、♪チンチン、シャカシャカ、カンカン…と、パーカッションが密林の秘儀に誘う。
「アーハー、アーハハー、アーハーアーハー…」と呪文の詠唱。
ドラムも加わる。
1分2秒あたりでは、「エケケケ…」と妖しすぎる笑い声。
おまえは水木しげるかという感じだ。
そして、気だるげな歌が始まる。
収録曲「レディオ・ヘッド」は、米国テキサス州とメキシコの境界付近の音楽テックス・メックス調の陽気で楽しい曲。
アコーディオンが効いている。
収録曲「ピープル・ライク・アス」は、思いっきりのカントリーサウンド。
スティールギターとフィドルが効いている。
収録曲「ドリーム・オペレーター」は、美しく、ゆったりと落ち着いた曲。
1分7秒あたりからの歌い出しの趣は、ビートルズの「レット・イット・ビー」を思い起こさせる。
あらためて聴いてみると、トーキング・ヘッズ、なかなか、いい。
1980年のアルバム「リメイン・イン・ライト」も持っていたので、聴いてみたけど、そんなに好みじゃない。
たぶん、「トゥルー・ストーリーズ」の次に、「リメイン・イン・ライト」を買って、それ以上、トーキング・ヘッズに深入りしなかったのだと思う。
最初に「トゥルー・ストーリーズ」を聴いていなかったら、トーキング・ヘッズに興味を持たなかっただろうなと、第一印象の大切さを感じた。

