スティーリー・ダン「プレッツェル・ロジック」
Steely Dan 「Pretzel Logic」
スティーリー・ダンは、ドナルド・フェイゲン(キーボード、ボーカル)とウォルター・ベッカー(ベース)が多数のミュージシャンを雇って厳選した演奏で曲を作るユニットとして知られる。
バンドとして生まれたものの、フェイゲン、ベッカーの2人は作曲志向が強くてライブ活動を嫌い、他のメンバーと衝突。
バンド形態は途中で崩壊し、ジャズ・フュージョン色を強めていった。
バンド形態を残していた1974年のアルバム「プレッツェル・ロジック」は、2人のジャズ好みを前面に出した初期の傑作。
ジャズの名曲のカバーあり、ジャズの巨人に捧げる曲ありで、楽しい。
私が一番好きなアルバム「幻想の摩天楼」(1976年)につながるフュージョン的な曲もある。
収録曲「リキの電話番号」は、ダンの最大のヒット曲。
♪ドロロン…という感じの小さな音の演奏に続き、25秒あたりから、♪タタン、タタン、タタン、タタン…というピアノのメロディーが流れ、ギターがテーマのメロディーを奏でる。
このピアノのメロディーは、ジャズのピアノ奏者ホレス・シルバーの名曲「ソング・フォー・マイ・ファーザー」のイントロを拝借している。
(このピアノのメロディーは「リキの電話番号」の途中でも何度か出てくる)。
そして、ピアノをバックにフェイゲンがゆっくりと歌い出す。
2分57秒〜3分30秒あたり、ジェフ・バクスター(このアルバムを最後に脱退し、ドゥービー・ブラザーズに加入)のギターソロも聴きどころだ。
収録曲「イースト・セントルイス・トゥードゥル・オー」は、ジャズの楽団リーダー、デューク・エリントンの名曲をカバーした。
♪ズンチャッ、ズンチャッ…というリズムに乗った、のどかな雰囲気のインスト曲。
♪ワンワンワワン…という歪んだエレキギターの音色が印象深い。
ミュート付きのトランペットを模した演奏なのだとか。
これに絡むスティールギターも良いアクセント。
収録曲「パーカーズ・バンド」は、ジャズの巨人チャーリー・パーカー(サックス奏者)に捧げた軽快で元気な曲。
1分33秒あたりからのコーラスや、終わり際の2分18秒あたりからのサックスソロがかっこいい。
この曲でも歪んだギターが良い感じだ。
このアルバムで一番好きな曲が「ナイト・バイ・ナイト」。
ダンの曲で私が一番好きな「アルタミラの洞窟の警告」(アルバム「幻想の摩天楼」に収録)を思わせるフュージョン的サウンド。
♪チョワーン、ジャジャッジャジャー、チョワーン、ジャジャッジャー…ときて、パーーパラ、パーパッ…となるイントロからして、かっこいい。
アニメ「ルパン三世」で流れる音楽を思わせるお洒落さだ。
そして、フェイゲンの力強く、リズミカルな歌。
「ナイー、バーイ、ナイッ」というサビは頭に染み込む。
この曲ではホーンとギターが良い感じで絡んで、情感を高めている。
2分2〜27秒あたりのギターソロもいい。
曲の終わり際のギターもいい。
タイトル曲「プレッツェル・ロジック」は、骨太なブルース・ロックに、フュージョン的な味わいを加えてある。
ズンチャチャチャー…と始まり、ドラムが入って盛り上がるイントロがいい。
そして、美しいコーラス。
2分~2分45秒のギターソロも聴き逃せない。
