この親友と会うと、「今、何聴いてる?」というところから、話が始まる。
音楽鑑賞が好きで、しかも、詳しい。
割と幅広く、いろいろと聴いている。
主要な音楽ジャンルで言ったら、クラシックと演歌のほかは、だいたい、聴いているんじゃないかと思う。
私のほうが詳しいのは、マイナー分野のフラメンコやラテン音楽くらいだろう。
私にとって、音楽鑑賞の師匠みたいな存在だ。
中学3年の時に同じクラスになって以来の付き合い。
ピンクフロイド等のプログレ、オジー・オズボーン、プリンスは、この親友の勧めで聴くようになった。
ジャズも、この親友の影響が大きい。
父の影響でジャズに興味はあったけど、導いてくれたのは、この親友。主要な演奏家は、この親友の勧めで知った。
たとえば、私が一番好きなジャズ演奏家は、ジャコ・パストリアス。
この親友に、ジャコが在籍したバンド、ウェザーリポートを勧められて、知った。
マイルス・デイビス、オーネット・コールマン、ホレス・シルバー等も、勧められて知り、好きになった。
私と好みの違いは、もちろん、ある。
たとえば、この親友が一番好きな演奏家は、ブルーハーツとU2。
どちらも、私は何とも思わない。
ジャズ演奏家で言うと、この親友が絶賛するビル・エバンス、キース・ジャレット、セロニアス・モンク等は、私は、あまり、ピンとこなかった。
マイルスのアルバムで言うと、「カインド・オブ・ブルー」と「ビッチェズ・ブリュー」を強く勧められて買ったけど、私の好みには合わず、ブックオフに持って行った。
この親友の推薦盤ではない「ドゥー・バップ」や「ジャック・ジョンソン」のほうが、私は好きだ。
おすすめに、私がストレートに従わないことも、多々あった。
たとえば、ピンクフロイドを聴くなら、アルバム「ザ・ウォール」「狂気」をまず聴けと言われたけど、私は何となく、ひらめきで「鬱」を買って、フロイドが好きになった。
当時、「ザ・ウォール」「狂気」を買っていたら、フロイドを好きにならなかったかもしれない。
今では、「ザ・ウォール」収録の「コンフォタブリー・ナム」や、「狂気」収録の「タイム」は好きな曲だけども・・・
たとえば、イエスのアルバム「こわれもの」「危機」を勧められたけど、イエスの分裂期に「イエス」を名乗れなかったほうのバンド、アンダーソン・ブラフォード・ウェイクマン・ハウの「閃光」を何となく、ひらめきで買い、気に入った。
その後、イエスも聴くようになったけど、「こわれもの」「危機」より、私は「リレイヤー」「ラダー」のほうが好み。
このような行動をとるので、「何か、おすすめ、あるか?」と聞くと、「おまえ、おれの言うこと、聞かんからな〜」と言われることもある。
それでも、だいたい、私の好みを理解していて、的確な助言をくれる。
たとえば、デビッド・サンボーンのアルバム「ハイダウェイ」を聴いて、サンボーンを好きになった旨、話題にすると、「『アップフロント』のほうが、たぶん、おまえの好み」と言う。
実際、「アップフロント」を聴いて、「ハイダウェイ」より気に入った。
たとえば、エイフェックス・ツインを聴いて好きになった旨、話題にすると、スクエアプッシャーを挙げて「おまえ、気に入ると思うから、聴いてみろよ」と勧めてくる。
実際、スクエアプッシャーのアルバム「ウルトラビジター」を聴いて、好きになった。
あらためて思うに、私はこの親友にいろんな音楽を勧めてもらい、聴いているけど、逆に、私が勧めたことはない。
私が知っていて、この親友が知らないような音楽は、あまりないし、少し変わったところがある男だから、たぶん、勧めても聴かないと思う。
この親友とは、数年に一度くらいのペースで連絡を取って会うという関係。
しかも、連絡を取るのは、私から。
なんで?と尋ねたことがある。
「おれから誘って、おまえに断られたら嫌だから。おまえの誘いをおれが断るのはいいけどな」との答え。
この親友らしい答えだなと思い、お互いに笑った。
この記事では、音楽のことしか書かなかったけど、いろんな悩み事の相談に乗ってくれたりして、私にとって、大切な親友だ。
