ギル・エバンス「エンジェル」
Gil Evans 「Angel」
サックス奏者デビッド・サンボーンの本領はファンク路線でこそ、発揮されると思う。
「スネイクス」「エニシング・ユー・ウォント」といった曲は、特にお気に入りだ。
フリージャズの巨人オーネット・コールマン(サックス奏者)の曲をカバーした「ランブリン」も良い。
もっさりした原曲を軽快にアレンジしていて、かっこいい。
盟友マーカス・ミラーのアルバムで演奏する「ホワット・イズ・ヒップ?」も良い。
ファンキーサンボーンが私は好きだ。
ところが、しっとり、しみじみと歌い上げる、しっとりサンボーンも捨てがたい。
なかなかに、味わい深い。
「我が心のジョージア」「カーリーへ捧ぐ」といった曲も良いけども・・・
しっとりサンボーンの極致は「エンジェル」。
伝説的なロックギター奏者ジミ・ヘンドリックスの名作バラードのカバー。
ジャズ編曲者ギル・エバンスがジミヘンをしのぶカバー曲集アルバム「プレイズ・ジミ・ヘンドリックス」(1974年)に収録されている。
サンボーンは当時、ソロデビュー前の新進気鋭。
サックスのソロ奏者に起用したギルの見る目が素晴らしい。
歌の代わりに、サンボーンのサックスが歌う。
これが情感たっぷり。
聴きどころは前半だ。
0分33秒あたりから、♪パラパラパーパーパ、パラパーパー…とサンボーンが登場。
随所に入るタメが良い。
緩急が巧みで、しゃくり上げるような吹き方を交えるのも、面白い。
1分19~30秒あたりで、高まって、下がる時(1分27~28秒あたり)、♪パラッパラッパラッ…としゃくり上げる。
1分35~37秒あたりでも、しゃくり上げる。
これは、情感がたっぷりすぎて、あふれ出ている。
サンボーンの屈指の名演だと思う。
サンボーンは、同じアルバムの収録曲「リトル・ウイング」でも、熱演を見せる。
2分56秒あたり、トランペットに続いて、間髪入れずに、♪ピーーッ!と、金切り声のような高音で飛び込んでくるところが、いい。
3分26秒あたりで、また、金切り声を上げてから、いったん、沈黙。
3分37秒〜4分0秒あたりのラストスパートが情感にあふれ、聴きどころだ。
叫ぶように入ってから、流れような演奏を見せ、また、叫んで、ソロを締めくくる。
