カーズ「キャンディ・オーに捧ぐ」
The Cars 「Candy-O」
私は、歌のある洋楽を聴く時、歌詞の意味を考えずに、歌も「音楽」として味わうほうなのだけど、ロックバンド、カーズの名曲「ドライブ」や「バイ・バイ・ラブ」は例外だ。
失恋の傷が癒えていなかった頃に聴いたから、歌詞が心に刺さり、存分に涙を流して、心の傷を癒やしたものだ。
この2曲と違い、歌詞を気にせず音楽として聴く場合に一番好きなカーズの曲が「キャンディ・オーに捧ぐ」(1979年のアルバムのタイトル曲)。
曲の要所で、印象的なフレーズを滑り込ませてくるリードギター奏者エリオット・イーストンの魅力がよく味わえる曲でもある。
ちなみに、カーズは、曲によって、ベース奏者ベンジャミン・オールか、リズムギター奏者リック・オケイセックのどちらかがリードボーカルを務めるスタイル。
私が好きなのはベンジャミンで、「ドライブ」「バイ・バイ・ラブ」と同じく、「キャンディ・オーに捧ぐ」も、ベンジャミンが前面に出る。
アルバム「キャンディ・オーに捧ぐ」は、中ほどの3曲「ダブル・ライフ」「シュー・ビー・ドゥ」「キャンディ・オーに捧ぐ」がセットになっていて、つながっている。
私は、「ダブル・ライフ」はあまり好みではないので、飛ばして「シュー・ビー・ドゥ」から聴く。
順番に聴いたほうがよいので、この曲から紹介する。
「シュー・ビー・ドゥー」は、テンポが速く、スリリングな曲。
キーボード奏者グレッグ・ホークスが宇宙感のあるメロディーを奏で、♪ピコピコピコピコ…というテンポの速い電子音と、♪シュッシュッ…という音が絡む。
♪シュシュポポ、シュシュポポ…と速い蒸気機関車音にも聴こえてくる。
リードボーカルは、リック。
1分半ほどと短いながらも緊迫感を高め、最後にシャウトが入って、「キャンディ・オーに捧ぐ」につながる。
「キャンディ・オー」は、ハードなギターで始まり、ゲームっぽい電子音が未来感を加える。
メロディーが、キャッチーで癖になる。
0分19秒あたりの♪キューイー…というギターがわくわく感を高める。
聴きどころは、1分17~24秒あたりで、エリオットが滑り込ませるフレーズ。
これがとてもかっこよくて、何度も聴き返したくなる。
その次の曲「ナイト・スポット」も、似たテイストの曲だ。
1分17~30秒あたり、ピーッ!ピーッ!ピーッ!ピーッ!…という電子音は、爆発前の警告音みたいだ。
そのすぐ後、1分32~46秒あたり、ギターの速弾きフレーズが聴きどころ。
2分53秒~3分7秒あたりで機械みたいな声が雰囲気を高めて、終わる。
リードボーカルは、リック。
このアルバムで「キャンディ・オーに捧ぐ」の次に好きな曲が「ガット・ア・ロット・オン・マイ・ヘッド」。
疾走感のある曲だ。
イントロのギターのフレーズの終わり際、0分13~15秒あたりの♪キュイ…キュイ…キュイ…キュイ…と山びこのように繰り返す音がいい。
1分30~45秒あたりのギターでも、終わり際にキュイ音がある。
リードボーカルは、ベンジャミン。
収録曲で、リックの魅力がよく味わえるのは「ラスト・フォー・キックス」だろうか。
すっとぼけた味わいのある曲が、リックの声によく合う。
トーキング・ヘッズの曲「パパ・レグバ」が思い浮かんだ。
(以下の記事「トゥルー・ストーリーズ」で「パパ・レグバ」も紹介してある)
なお、アルバム「キャンディ・オーに捧ぐ」のジャケットは、ピンナップアートの巨匠アルベルト・バルガスの作品。
このアルバムのために描いてもらったのだとか。
女性の名前を思わせるこのアルバムのタイトルにも合い、お気に入りのジャケットだ。

