ジェニファー・バトゥン「アバヴ・ビロウ・アンド・ビヨンド」
Jennifer Batten 「Above Blow And Beyond」
ギター奏者ジェニファー・バトゥンを知ったのは、ジェフ・ベックのアルバム「フー・エルス!」(1999年)に参加していたから。
収録曲「ホワット・ママ・セッド」に、かっこいい速弾きのフレーズがある。
ここはベックじゃないから「うわっ、誰だ、これ」と興味を持った。
それがジェニファー。指板上で弦を指で叩いて鳴らす「タッピング奏法」の名手だと知った。
そのジェニファーの初のソロアルバムが1992年の「アバヴ・ビロウ・アンド・ビヨンド」。
Wikipediaによると、1957年生まれだから、30代半ばで初のソロアルバム。
ライナーノーツによると、8歳の頃からギターを弾き始め、将来、自分のアルバムを作ることを夢見て、腕を磨いた。
下積みを長らく経験し、1987年にマイケル・ジャクソンのツアーのギター奏者に選ばれ、光が当たったという。
遅咲きの花という印象で、これは応援したくなる。
アルバム「アバヴ・ビロウ・アンド・ビヨンド」の収録曲では、まず、「熊蜂の飛行」を推したい。
リムスキー・コルサコフが手がけたオペラの間奏曲で、速弾きの難曲。
この曲のカバーで、ジェニファーは名を上げたらしい。
本当の蜂の羽音に続いて、速弾きのタッピング奏法を見せる。
これが圧巻。
マノウォーのベース奏者ジョーイ・ディマイオも同じ曲をカバーしているから、聴き比べてみたら、面白いと思う。
収録曲「ジャイアント・ステップス」は、サックス奏者ジョン・コルトレーンの名曲のカバー。
ジェニファーの音楽の幅広さを感じさせる選曲だ。
前半はジャズ風味、後半はメタル風味で演じるアレンジも面白い。
前半は、ラジオ風の音声や効果音が背景に入る。
ノイズ・ミュージックか?と思わせる導入。
そして、0分32秒あたりから、おもむろに速弾きが始まる。
1分45秒あたりからメタル風味に変化。ここでも、流れるような演奏を見せる。
ジェニファーの速弾きを味わうなら、収録曲「ヘッドバンガーズ・ヘアスプレー」と「ワミー・ダメージ」も、おすすめだ。
「ヘッドバンガーズ・ヘアスプレー」では、随所でタッピングの速弾きが入る。
「ワミー・ダメージ」は、1分30秒ほどの短い曲。ここでも妙技を見せる。
(2曲をまとめた動画で紹介)
選曲という点で目を引くのは、収録曲「ワナ・ビー・スターティン・サムシン」も、だ。
マイケルの曲のカバー。
飛躍のチャンスをくれたマイケルへの感謝の表れだ。
アルバムの説明で、スペシャルサンクスとして関係者の名前を連ねた後、ベリースペシャルサンクスとして、マイケルの名前を挙げている。
こんな律義なところも好印象だ。
