ハービー・ハンコック「カメレオン」
Herbie Hancock 「Chameleon」
のっけから、♪ドゥドゥドゥ、ドゥッドゥッドゥッ…というシンセベースのリズムが繰り返され、これが何とも心地良くて癖になる。
電化ハービーの傑作「カメレオン」。
ヤツのドヤ顔が目に浮かびそうだ。
この曲は、1973年のアルバム「ヘッド・ハンターズ」に収録。
イントロのシンセベースに続き、ドラム、ベース、シンセサイザーが順に加わって、じわじわと盛り上げていく。
このじわじわが快感になり、限界にくる一歩手前の1分30秒あたり。
♪パラッ、パラッ、パラッ、パーパラ、パラパパーラ…と、ベニー・モウピンのサックスが、ハービーのシンセとハモりながら、飛び込んでくる。
そして、このメロディーがしばらく繰り返される。
この繰り返しの快感は、ティエストのトランスミュージックのようだ。
2分55秒あたり以降、ところどころでハモりから脱して、サックスがちらりと姿を現すところも心憎い。
4分5秒あたりから、♪ビュビュビュビュッ、ビュービュッビュッ…とシンセが前に出て、縦横無尽に漂う。
この何だろう、ヘンテコなテクノ感?異界感?がまた、心地良い。
同じシンセでも、これがヤン・ハマーなら、妖しさを醸し出すところだけど、ハービーの場合は、どこまでもコミカルに愛嬌を振りまく。
ニヤけた顔しか思い浮かばないハービーのキャラクターのなせる技だ。
7分5秒あたりまで暴れたハービーは、ひと休み。
モウピンが前に出てくる。
7分45秒あたりからは、ベースとドラムが間をつなぐ。
ハービーとモウピンは汗を拭い、給水中。
ハービーは、8分30秒あたりから、♪タッタッタッタラン…と一転して、クールで美しいキーボード演奏を展開。
クールなオレ様も良いだろ?と多芸ぶりを見せつける。
でも、ニヤけ顔は変わらない。
ところどころに入るフルート(byモウピン)が良いアクセント。
11分50秒あたりで、モウピンのサックスが復帰。ハービーもシンセでハモる。
そして、12分10秒あたりで、美しいキーボードに戻るというトリッキーな展開。
盛り上がった後いったん、沈静化し、13分16秒あたりで「ふりだしに戻る」。
♪ドゥドゥドゥ、ドゥッドゥッドゥッ…だ。
13分40秒あたりから、サックスが前に出て、奔放に吹き回る。
これがかっこいい。
締めくくりはフェードアウト。
この曲は、ベース奏者ジャコ・パストリアスとの共演も、聴いてみてほしい。
オリジナルの魅力には及ばないけども、♪ドゥドゥドゥ、ドゥッドゥッドゥッ…をジャコが弾いているのが面白い。
アルバム「ヘッド・ハンターズ」の収録曲「ウォーターメロン・マン」も傑作。
初期の名曲の電化版だ。
以前、記事「ディープ・フォレスト」で書いたので、詳しくは繰り返さないけど、電化したうえにアフリカ音楽を注入しており、意表をつく。
ディープ・フォレストに多大な影響を与えた曲だと、私はにらんでいる。
