ボブ・ジェームス「ウェストチェスター・レディ」
Bob James 「Westchester Lady」
アニメ「ルパン三世」(原作モンキー・パンチ)みたいな音楽、という形容がしっくりとくる。
キーボード奏者ボブ・ジェームスの曲「ウェストチェスター・レディ」。
子どもの頃、父がラジオ番組から録ったカセットテープで聴いて、すぐ、そう感じた。
都会的で、洗練されていて、クール。
のちに知ったスティーリー・ダンの曲「アルタミラの洞窟の警告」とともに、私の中では、「ルパン三世みたいな曲」の代表格だ。
(「アルタミラの洞窟の警告」も聴いて、すぐに「ルパン三世だ」と感じた)。
「ウェストチェスター・レディ」は1976年のアルバム「スリー」に収録。
「アルタミラの洞窟の警告」は1976年のアルバム「幻想の摩天楼」に収録。
私が子どもの頃に見たテレビアニメ「ルパン三世」は1977〜80年の第2シリーズだと思われる。
同じような時代の音楽だから似ていても、不思議ではないのかもしれないけど・・・
それにしても、似ていると思う。
「ウェストチェスター・レディ」は、♪チョワン・・・タッタラーラ・・・チョワン・・・タッタラーラ…とギターとベースが掛け合うイントロが、まさに「ルパン三世」を思い起こさせる、かっこよさ。
ルパンが今から行動開始という場面が目に浮かぶ。
そして、♪タッタッタッタラ、タララッタッタラ…と、キーボードが入ってくる。
このメロディーを繰り返して、じわじわと盛り上げ、0分36秒あたりから、弦楽器とトライアングル(?)の美しい音色が奏でられる。
そして、♪タッタッタッタラのメロディー、弦楽器のパートを繰り返し。
このメリハリが緊張と弛緩を生む。
3分40秒~4分15秒あたりが聴きどころ。
♪パラッ、パーパパー…という管楽器の演奏の繰り返しに、3分58秒あたりから♪キュイキュイ…と絡んでくる弦楽器の音色がいい。
そして、トライアングル(?)が良いアクセント。
4分16秒あたりからは、♪タッタラタラ…の背景で、♪コンコン、コンコン…とキューバ音楽みたいなパーカッションがリズム刻む。
これもいい。
4分50秒あたりから、キーボードが前面に出て、美しい演奏。
5分0秒あたりで、♪タラララ…と痙攣するような速弾きを繰り返すところも面白い。
アニメ「ルパン三世」の「ルパン三世のテーマ’80」も動画で紹介しておく。
アルバム「スリー」の収録曲も少し紹介しておこう。
「ワン・ミント・ジューレプ」はR&Bの名曲で、レイ・チャールズがカバーして、ヒットさせた。
ボブ・ジェームス版は全く趣が違う。同じ曲とは思えないくらい。
ファンキーさを残しつつ、クールに仕上げている。
♪チャン、チャン、チャン、チャン…と高音で入って、ビュン、ビュン、ビュン、ビュン…と低音で受けるイントロが、印象的だ。
イントロの後は、ファンキーになる。
「アイルランドの女」は、もの悲しいフルートで始まる。
何となく、郷愁を誘う曲だ。
その後は美しいピアノ演奏。
ハープが加わり、雰囲気を高める。
4分10秒~4分55秒あたり、ギター奏者エリック・ゲイルのソロが情感たっぷり。
「さらばジャマイカ」は、天気予報のBGMになりそうな爽やかな曲だ。
もうひとつ、余談。
アルバム「スリー」のジャケットデザインは、それより前の1973年にピンクフロイドが放ったアルバム「狂気」に似ている。
これは、ロックの名作へのオマージュとして、わざと似せたものだという。
だいたい、ボブ・ジェームスのアルバムジャケットは遊び心にあふれているのだけども、ジャンルの違うピンクフロイドの作品へのオマージュだというのが、興味深い。
この頃、いかにフロイドの存在感が大きかったか、うかがえるというものだ。

