本日(5月24日)、美術に関する講演会を取材中、にやけそうになるのを必死でこらえた。20年くらい前に取材した「泥アート」を思い出したからだ。
講演の中で、板にセメントを塗ったものを美術作品として出展した作家がいたという話があり、「同じようなことを考える人がいるんだな」と思って、記憶がよみがえった。
かつて取材した「泥アート」は、タテ、ヨコとも20センチ程度の四角い木の板に、田んぼの泥を塗りつけて乾燥させたもの。
乾燥した田んぼの土を四角く切り出したような外観で、展示会場にずらりと並んでおり、見て、笑いそうになった。
なぜ、このような作品を考えたのかと作者の彫刻家に尋ねた。
返ってきた答えは「泥に目を向けてほしい」。
ストレートな発想に、今度は、頬が緩んだ。
記事では、本人に確認のうえで、地の文で補い「作者の彫刻家が込めるメッセージは、自然に親しむ生活の再評価。『泥に目を向けてほしい』と言い表す」と書いたのを思い出す。
この彫刻家は、稲作農家でもあった。
微生物の力を生かした農法に取り組んでおられ、この方の師匠というか、その農法を提唱する肥料製造業者が、これまた、個性的な方だった。
(以下の商品はイメージであり、本文の内容とは関係ありません)。
この肥料製造業者と、信奉する稲作農家のグループが、この農法で作った「ビタミン米」の美味しさを実証しようと開いた試食会も、取材した(グループのメンバーに、地元国会議員の支持者がおり、この議員から取材を頼まれた)。
ビタミン米と、そこらのスーパーで買ってきた適当な米をおにぎりにして食べ比べるブラインドテストだった。
結果は、適当な米の圧勝。
(以下の商品はイメージであり、本文の内容とは関係ありません)
記事では、「参加者の評価が分かれ、農法の優位性を裏付けるには至らなかった」と若干、配慮して書いたことを思い出す。
結果にうろたえたのか、肥料製造業者が「栄養には自信がある」と言って、検査機関での分析データを出してきた。
名前は忘れたが、公的な検査機関だったと思う。
分析データの紙には、ビタミンがいくら含まれているかが書いてあったが、それが普通より多いのか、少ないのか、私にはわからない。
普通より多いんですよね、と念のため尋ねると、「普通と同じくらい」との答え。
漫才かと思った。
この肥料製造業者は、マッドサイエンティストみたいな方だった。
「すごいものを開発中だ」と電話がかかってきたので、行ってみたら、微生物の力を生かした燃料電池だという。
「まだ、公にはできないが、ボルボが3億円で買いたいと言ってきている」と、熱っぽく語っておられたのを思い出す。
トヨタとか日産ではなく、ボルボというところが妙なリアル感を醸し出していた。
(以下の商品はイメージであり、本文とは関係ありません)
やはり20年くらい前に、別の肥料製造業者で、同様に変わった方にも出会った。
第2次世界大戦中に当時は日本国内だった現在の北朝鮮の町で生まれ、今となっては古里に墓参りにも行けない日本人というテーマで取材した時に出会った。
「これは、内緒にしておいてほしいが、実は、金正日は花作りが趣味で、わしの肥料を使っている」と語っておられたのを思い出す。
(以下の商品は、私も持っていますが、この記事の本文とは関係ありません)
新聞記者の仕事をしていると、このように個性的な方々に出会うことがある。
ある機械器具メーカーの社長も個性的だった。
30年くらい前のこと。
下水に「波動」をかけて処理したら、すごい水ができたという。
飲んだら健康に良い効果があるというので、現物を見せてもらうと、ビールのような色だった。
その名は「黄金水」。
元が下水ですよね、違う名前がいいんじゃないですか、と思った。
(以下の商品は、私の妻の大好物ですが、この記事の本文とは関係ありません)
一番記憶に残るのは、日本神話のスサノオの生まれ変わりという人物の信奉者だ。
30年くらい前のこと。
「実は、スサノオの生まれ変わりがいるんです」という電話が会社にかかってきて、とりあえず、私が話を聞きに行くことになった。
通報してきた方は、たしか、理髪店経営者だったと思う。
(以下の商品はイメージであり、本文とは関係ありません)
スサノオの生まれ変わり本人がいるものだと思って、行ってみたら、いない。
なぜ、いないのかと尋ねた。
「その方は、こうやって(・・・と両手を広げてポーズを取り)世の中のみんなにパワーを分け与えている。与えすぎて自分が弱ってしまった」との答え。
スサノオの生まれ変わりはどんな人物なのか、容貌は?人柄は?と尋ねた。
大真面目な顔で「スサノオそのものです」との答え。
スサノオ見たんかい、と突っ込みそうになった。
今週のお題「最近いちばん笑ったこと」