衆院選まっただ中。
郡部のローカル線の駅前で、候補が街頭演説をする予定があったので、早めに着いて、寒さに震えながら待っていたら、候補がとぼとぼと歩いてきた。
近くで選挙カーが脱輪して動けなくなったという。
道路が雪で覆われていて、側溝に気づかなかったのだとか。
歩いてきたのはいいけど、選挙カーにつないである有線のマイクがない状態。
選挙カーの救出には、まだ、しばらく時間がかかる。
候補は肉声で街頭演説を始めた。
本当に気の毒だった。
冬場の選挙は、大変だ。
今回の衆院選は1月23日解散、27日公示、2月8日投開票という日程。
衆院選に限って言うと、冬場に行われるのは平成初期の1990年以来。
この時は1月24日解散、2月3日公示、18日投開票。海部内閣の頃で、前年に導入された消費税が争点だったようだ。
1990年1〜2月と言えば、私は大学入試を受けていた頃。
衆院選のことは全く記憶にない。
のちに新聞社に入り、記者になってから、地方選挙を含めて、数多くの選挙を取材してきたけども、衆院選は夏か秋にあるもの、遅くても12月半ばの投開票というイメージだった。
参院選はいつも夏にあるから、積雪がある状態での国政選挙の取材は、私は初めてだ。
冬場の選挙で、候補を悩ませるのは、まず、街頭演説がやりにくいこと。
選挙カーで遊説の途中、住宅街や大型店の前など、ところどころで、路上駐車して、街頭演説をするというのは、よくある活動だけど、それが難しい。
道路から取り除いた雪が道路脇に積んであり、路上駐車が難しいからだ。
そして、街頭演説を聴く人が少ない。
寒いから人があまり外を歩いていないし、立ち止まって聴くのも大変だ。
候補の陣営幹部が困って「(きれいに雪かきしてある)バス停で、やろうかな」と冗談を言っていたほどだ。
いつもなら、選挙カーの遊説に付いていく取材をするのだけど、今回は、やめた。
この結果、街頭演説は、大きな駅の前、県庁や市役所の前など、比較的きれいに雪かきしてある場所に限られている。
考えることは、どの候補も同じだから、同じ時間帯に同じ場所で街頭演説というバッティングも、たびたび、発生している。
取材する記者としては、1カ所で複数の候補の街頭演説が聴けるから、効率的ではあるけども・・・
人手が少ない政党の候補の陣営は、街頭演説の時に、政党ののぼり旗を積雪に差して、何本も立てていた(普通は、スタッフがのぼり旗を持って立つ)。
「助かるわ〜」と笑いながら。
これも、冬場の選挙ならではの光景だ。
多くの候補の陣営が、今回は街頭演説を減らし、SNSでの発信を強化している。
支持者から周囲の人たちへの口づての支持拡大に、あらためて目を向ける候補もいる。
状況に応じて、適応していく姿に、人間って、やっぱり、たくましいな、と感じた。
候補の街頭演説の場所に早めに来て、雪かきをしていた陣営スタッフの方が、「北海道とか東北とか、もっと雪が多い地域の方の苦労を思えば、楽なもんだ」と話していたのも、印象に残った。
あ、私自身も雪には泣かされている。
衆院選の期間中には、支局の管内の小さな町の町長選・町議選もあり、その取材もしないといけない。
山間部の町で雪が多いから、先週、選挙情勢のリサーチと、取材時に車を止める場所がどこにあるかの下見に行った。
本来なら駐車場はそれなりにあるのだけど、雪かきが間に合っていないから、現実に止められる場所は限られる。
つまり、かなり早めに行って、車を止めないとダメだなとわかった。
車が雪にはまる事態にも見舞われた。
先日朝、衆院選候補の集会の取材に行くため、自宅の駐車場から車を出そうとしていた時。
道路の除雪で、取り除かれた雪が、道路と駐車場の境界あたりに積もっていたのだけど、これくらいなら大丈夫だろうと思って、突っ込んだのが失敗。
雪にはまって、動けなくなった。
スコップで雪かきしたけども、ダメ。
タイヤにタオルをかませてみたけど、ダメ。
結局、歩いて集会に行き(何とか、間に合った)、集会の取材が済んでから、戻って、車の救出に取り組んだ。
妻が「持っておいたほうがいいよ」と言って、買ってくれていた「スタックヘルパー」という道具が車に積んであることを思い出した。
タイヤにかませるプラスチック製の板。
これで、一発で脱出できた。
私は初めて使ったけども、なかなか、優れものだと思った。
妻に感謝。
