(上記のAmazon商品は本文と直接関係ありません)
このブログの「音楽」カテゴリーのレビュー記事では、「何分何秒あたりから」と秒単位で指定して、楽曲の展開や聴きどころを説明することが多い。
6月21日に投稿したピンクフロイドのアルバム「狂気」の記事で、収録曲「タイム」の説明を一例として、以下に抜粋してみる。
「タイム」は、変化に富み、ドラマチックな曲。
風の音で始まり、時計のチクタク音、♪ジリリリリ…というアラーム音、♪キーン、コーン…という柱時計の音が続く。
タイトルそのまんまかい、という感じの演出だけど・・・
これが、時間に追われる感を醸し出して、緊迫感を高める。
♪ポクポクポクポク…という木魚のような音に続いて・・・
55秒あたりから、♪ドゥーーン…ドゥーーン…と、途切れ途切れに不気味な音色をベースが奏で、パーカッションが絡んで、しばらく、聴く者の不安をあおる。
このイントロがいい。
2分30秒あたりから、力強い歌が始まる。
ここであふれる解放感は、イントロの緊迫感があってこそ。
「ウー」「アー」という女性のコーラスも加わる。
3分30秒~4分55秒あたり、ギルモアのギターソロが聴きどころ。
情感たっぷりの泣きのギター。
4分10~25秒あたりの♪キューウゥーン…という音色がせつなくて、いい。
5分あたりから、また、歌。コーラスも絡む。
5分30秒あたり、「ダー、ハアアー」「ウォウ、ウォーオォー」と飛び込む女性歌手のスキャットがいい。
(以上、抜粋)
音楽は、いくら言葉で説明されても、聴いてみないと、わからない。
レビュー記事を見てくれた方にリンク先のYouTube動画で聴いてもらいたいのだけども・・・
よっぽど興味を持ってもらえない限り、動画を再生してもらえるとは思えない。
逆に、私が聴く立場の時だって、さわりのへんを数秒聴いて、飛ばせるのなら、真ん中へんも数秒聴く。
良いと思えば、もう少し聴くし、思わなければ、止めるという感じだ。
一番魅力的だと思う聴きどころを時間指定することで、「じゃあ、そこだけでも聴いてみるかな」とハードルが下がるのではないかと期待している。
ちなみに、iTunesの視聴は、楽曲の頭からでなく、聴きどころが流れる仕組みらしい。やっぱり、聴きどころを聴いてもらうことが大事ということだろう。
実際、私が家族や友人、職場の同僚に勧める時には、iPhoneで聴きどころの部分を再生して「このあと」「ここがいい」とか言って、聴かせている。
ブログでは同じことができないので、「何分何秒あたり」と時間指定している。
ついでに言うと・・・
「何分何秒」ではなく、「何分何秒あたり」と幅を持たせているのは、私のiPhoneに入っている音源と1秒の差もなく流れるYouTube動画が、見つからないことも多いからだ。
聴きどころだけでなく、楽曲の展開を適宜、時間指定しながら紹介するのは、全体像を俯瞰してもらう意図がある。
本を立ち読みする時に、目次や前書きを見て、本文をパラパラッとめくるのと同じ。
全体像を俯瞰して、聴きどころを知ってもらったら、好みに合うかどうか、だいたい、判断してもらえると思う。
そして、「秒単位の聴きどころ指定」は、実際にリンク先の動画を再生して楽曲を聴き、答え合わせをしたくなる人が出てくるはずだ、という読みもある。
これは、「擬音の駆使」も同様。
さらに・・・
「擬音の駆使」の場合と違い、この「秒単位の聴きどころ指定」には、SEO(検索エンジン最適化)対策の効果も、期待している。
Googleによると、GoogleがSEOで重視するのは、「E-E-A-T」(経験、専門性、権威性、信頼性)だという。
「秒単位の聴きどころ指定」は、実際に、この曲を聴いて記事を書いているという「経験」の証明になると、私は考えている。
「秒単位の聴きどころ指定」のある音楽レビュー記事が、世の中にあふれてきたら、本当に聴いて書いているのか、他の記事を見て書いているのか、判別できなくなるとは思うけど、今のところ、大丈夫だと思う。
「秒単位で聴きどころ指定」のレビュー記事を書くのは、相応の手間がかかる。
好きな曲を取り上げているから、だいたい、どういう展開で、どこが聴きどころかはわかっているけど、再生時間を見ながら聴いて、全体像のメモを作らないといけない。
たとえば、冒頭で取り上げたピンクフロイドの曲「タイム」のメモ書きは以下の通り。
(以下、メモ書き)
「タイム」
柱時計
パーカッション
2:30-
歌
3:00-
コーラス。ウー、アー
3:30-4:55
ギター。泣き。情感たっぷり。4:10-4:25、キューウゥーンという音色がせつなくて、いい。
コーラスも絡む。ウー、アー
5:25-
コーラス
ウー、アー
5:30-スキャット
ダー、ハアアー、ウー、ハーアアアー
5:37-
ウォウ、ウォーオォー
5:56-最後まで1分くらいは「ブリーズ」という曲がつながっている
(以上、メモ書き)
このブログの音楽レビュー記事は、基本的にアルバム単位で書くことが多い。
執筆の流れとしては・・・
(1)アルバム収録曲から、取り上げるものを4〜5曲選び、それぞれ再生時間を見ながら聴いて、メモを作る
(2)どのような切り口で書くか等、記事の構成を考えて、柱になる曲を選び、執筆開始
(3)曲の解説部分は、メモ書きを基に、肉付けしたり、削ったりして仕上げる
(4)詳しく紹介する曲は、1〜2曲に絞り、あとは「こんな雰囲気の曲」「こんな特徴がある曲」という簡単な説明にする
(5)記事全体の構成を整えて完成
・・・以上が基本的な流れだ。
このブログを始めて初期の記事は、時間指定までしていないものが多いので、隙を見て、時々、書き直している。
この手間に見合う効果があるといいな、と期待している。
最後に、もうひとつ、余談。
私がものすごく好きな曲は、ほぼ、その1曲のことだけで、記事を1本書いていて、曲の始まりから最後まで展開を詳しく紹介している。
このような記事は2本しかない。
ひとつは・・・
1981年のライブ・アンダー・ザ・スカイで、フラメンコギター奏者パコ・デ・ルシアとジャズピアノ奏者チック・コリアが共演した曲「イエロー・ニンバス」の記事。
もうひとつは・・・
1980年のライブで、パコと、ジャズのギター奏者アル・ディ・メオラが共演した曲「地中海の舞踏/広い河」の記事。
どちらも私が子どもの頃、父に聴かされて気に入り、40年以上、聴いている大好き曲なので、つい、力が入った。
「地中海の舞踏/広い河」の記事には、X(旧Twitter)で記事のリンクを投稿した時に、ディ・メオラの大ファンという方から、「曲の流れがよくわかる。こんなに詳しいレビューは初めて見た」と、お褒めのコメントをいただいて、うれしかった。
「地中海の舞踏/広い河」の曲の解説部分を以下に抜粋して、今回の記事「記者のレビュー術 秒単位の聴きどころ指定」を終える。
(以下、てっちレビューの記事「地中海の舞踏/広い河」より抜粋)
ディ・メオラの曲「地中海の舞踏」とパコの曲「広い河」のメドレーで、「地中海の舞踏」で始まって、「広い河」に変化し、また「地中海の舞踏」に戻る構成。左チャンネルがパコ、右チャンネルがディ・メオラ。ヘッドホンか、イヤホンで聴いてほしい。
以下、演奏の要旨。
0:00〜
「地中海の舞踏」の緩やかなメロディーでスタート。
♪チャララララ、チャララララ、チャララララ、チャチャッ、チャンチャン…という高速ユニゾンを4回、間を置いて、さらに4回繰り返す。
まずは、ここで、聴く者を引き込む。
0:55〜
パコのゴルぺ(ギターの表面を指先で叩いて鳴らす、フラメンコの奏法)を合図に、「広い河」に突入。まずはディ・メオラが主導し、パコは合いの手。
2:55〜
パコが、♪ジャン、ジャガジャガ…とラスゲアード奏法(弦をかき鳴らすフラメンコの奏法)を見せながら、主導権を握る。
3:25〜4:00辺りのパコの速弾きが序盤の聴きどころ。
4:25〜
パコが、♪タタラタラタタン、タタラタラタタンタッタタラララ…という「広い河」のメインテーマを奏でる。ディ・メオラは、♪ジャン、ジャガジャガ…と合いの手。
5:00〜
中盤のヤマ。パコが、再び「広い河」のメインテーマを締めくくりに奏でて、徐々にフェードアウト。この間、ディ・メオラは、♪ズンジャガ、ズンジャガ…と絡む。
5:40〜
ディ・メオラ主導になり、「地中海の舞踏」に復帰。
5:50〜6:25辺りの演奏も聴きどころ。
その後、ちょっとクールダウン。
6:45〜
パコ主導。流れるような速弾き。
7:10〜
ディ・メオラ主導。
7:50〜
パコ主導。
8:10〜
クールダウン。
8:30〜
パコ主導で盛り上がり、ディ・メオラが♪ズンジャガ…と絡む。ここも聴きどころ。
8:45〜
ディ・メオラ主導。ここの演奏もいい。
9:25〜
クールダウン。最終コーナーに入る。
10:00〜
間を置いて、掛け合い。いよいよ、スパートかけるぞ、ええか?という感じの呼吸合わせ。
10:20〜
最大の盛り上がり。パコの速弾きに続いて、ディ・メオラも速弾き。競うように速弾いて高まったところで、2人そろって、♪ジャッジャガジャッジャッ、ジャッジャガジャッジャッ…とラスゲアード奏法の嵐になり、最高潮に達する。
11:00〜
♪ジャラランッ…と、いったん区切り、緩やかなメロディーに入る。
高速ユニゾンを4回繰り返し、♪ジャンッ…で締めくくり。
(以上、演奏の要旨)
(以上、抜粋)
これは、答え合わせしたくなるはず。
ならない?
