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測量魂①杭打ち 掛矢の重さと遠心力を生かして打つ


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(動画は、リビングココイチさんがアップしておられたものにリンクを貼りました。掛矢の使い方のご参考までに)

 

 

大学に入る前の若い頃に1年半ほど従事した、測量の仕事について、少し語ってみたい。

 

測量魂①杭打ち

 

測量では、今後、造る道路の中心線など基準になる地点や用地買収の範囲を示すために、杭を打つ作業がある。

 

これが、きつい。

 

特に、用地買収の範囲を示す「幅杭(はばぐい)」の場合。

 

10センチ角くらいの太い杭を使い、一日中、杭打ちに追われる場合もある。

 

20~30本くらい続けて打つと、腕がぱんぱんになる。

 

「掛矢(かけや)」という大型のハンマーで地面に打ち込む。

 

まずは、杭を地面に立てて軽く打ち、少し固定。

 

掛矢をバックスイングするように後ろに振り、体を捻って頭上に振り上げ、杭に振り下ろし、その流れでまた後ろに回し、頭上から振り下ろすという動きを、リズミカルに連続して杭を打ち込む。

 

もちつきのように体の前から頭上に振り上げ、振り下ろす動きとは違う。

 

全身を使う。

 

掛矢が円を描くように振り回し、重さと遠心力を生かして打つ。

 

「センター」という基準地点を示す杭の場合は、6センチ角くらいなので、幅杭よりは楽だ。

 

「石頭(せっとう)」という片手用ハンマーで打つ。

 

杭を打った後、杭の頭に釘を打って完成。

 

センターの位置は、ミリ単位で指定される。

 

適当に打てばいいということにならず、ずれたらやり直しなので、気を遣う。

 

逆に、幅杭は、指定の位置から少々ずれても大勢に影響ないので、センター杭より、気楽ではある。

 

現場がアスファルト舗装された路面の場合は直径5〜6ミリくらいのピンを打つ。

 

アスファルトの路面は固いので、石頭を両手で使い、力いっぱい打ち込まないと、ピンが入らない。

 

しかも、ピンの位置に求められる精度は、やはりミリ単位。

 

工事が終わるまで、もてばいいセンター杭や幅杭と違い、半永久的に使う標高の基準点を作る仕事がまれにあり、地面に穴を掘ってコンクリート製の杭を入れ、セメントで固めて設置する。

 

コンクリート杭は、15センチ角くらいで、長さ1メートルくらいのコンクリートの塊。すごく重い。

 

コンクリート杭を抱え、木の幹や枝につかまりながら斜面を登り、山の中の現場まで運んだ時が、一番しんどかった。

 

(2014年2月19日Facebook投稿を転載)

 

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