
「セキララ結婚生活」けらえいこ
私たち夫婦は、妻が2歳上で、しかも、世話焼き、仕切り屋だということもあって、基本的に妻がリードしている。
私は、家事全般があまりできないし(簡単な手伝いはする)、お金の管理も苦手。
そこらへんの一切を委ねて、甘えていられるのは、楽だ。
私は、実家から通える地元の大学に進学したので、一人暮らしの経験は、新聞社に入ってから。
若手社員向けの社宅に住んでいた。
食事は、いちおう、自炊。
ご飯を炊いて、レトルトカレーをかけて食べるか、または、スパゲッティやうどんの乾麺をゆで、スパゲッティなら缶詰のミートソース、うどんならワサビふりかけと麺つゆをかけて食べるかのどちらかだった。
毎日ほぼ同じような物を食べ続けたわけだけども、カレーもスパゲッティもうどんも好きだから、適度にローテーションで回していけば、飽きはこなかった。
洗濯機は、親に持たされたので、あったけども、使い方がよくわからなくて、一度も使わなかった。
風呂(狭いユニットバス)に入った後、残り湯に洗い物と洗剤を投入し、つけ置き洗いで良しとしていた。
片付けが苦手なので、部屋は散らかっていた(さすがに、ごみ出しはしていた。ごみがたまっていくので)。
掃除機も、親に持たされたので、あったけども、一度も使わなかった。
特に、トイレが汚かったようだ。
入社2年目の時に、妻と合コンで知り合い、その日から同棲したのだけど・・・
妻によると、合コンの日の夜、妻はかなり酔っていて、私の家(社宅)に来た後、トイレに入り、あまりの汚さに驚いたそうだ。
翌朝、起きて、またトイレに行った時に「あの汚いトイレは夢じゃなかったんだ、と思った」と話していた。
妻と一緒に暮らすようになり、私の生活は一変した(1年くらい同棲して、1996年の秋に結婚)。
食事を例に取ると、素材を洗って切るところから作る手料理を食べられるようになった。
私は、これまで31年間の社歴のうち、半分以上の17年間が単身赴任。
単身赴任先が遠くない時は、妻が毎週、大量の手料理を冷凍して持ってきてくれた(私は1日分ずつ解凍して食べる)。
ちなみに、自宅から遠いところに単身赴任中の現在は、毎日、支局近くのコンビニでカップヌードルカレーとドーナツを買って食べている。
毎日だけど、飽きない。ただ、不健康な食生活だとは思う。
なお、私は独身の頃から、基本的に食事は1日に1食(夜だけ)。
仕事が忙しくて自然にそうなり、体がそれに慣れた。
休みで妻と一緒に過ごす日は、妻に合わせて3食。
同僚がみな、1日1食ということは、たぶん、ないと思う。
十数年前、後輩と一緒に出張に行った時に、私は、いつもの調子で昼休憩(昼ご飯)なしで働いていたら、後輩に「昼ご飯食べてきてもいいですか?」と言われ、あ、普通の人は昼ご飯食べるのか、と思ったことがある。
漫画家けらえいこの「セキララ結婚生活」は、作者夫婦の日常をほのぼのと描く。
私たち夫婦にも当てはまるな〜と思う内容が多くて、楽しく読める。
作者夫婦は大学のサークル活動で知り合い、夫が1歳上だとか。

たとえば、洗濯物の干し方の話。
作者が洗った洗濯物を干す係は夫なのだけども、夫がしわしわのまま干して、作者に叱られる場面がある。
「シワになるでしょ。ピンピンのばして干さないと!」と。
私も、全く同じことを妻に言われた。

たとえば、鍋料理を食べる時に夫がよく落とす話。
これは、私も同じ。
わざとやっているわけではないのだけど、よく落とす。
「どの席に夫が座ったのか、すぐわかるほどだ」と書いてあるけども、わが家もそうだ。
こぼれないように、作者が夫の近くに鍋を置くという対策まで、わが家と同じだ。
作者の夫の「取りやすいから、いいよ」という感想も、私は全く同感。
私の場合は、鍋料理でなくても、よく落とすのだけども、これは、箸の持ち方が間違っているからかもしれない。
(私の持ち方は2本の箸が交差する。これだと、しっかりと物がつかめないらしい)。

食事の時のルールも面白い。
作者夫婦の間では「ひとつの料理を2人で食べる時は、自分の分を目で把握する」という決まりがあるそうだ。
最後の1個を食べる時は「これ、食べてもいい?」と声かけするのだとか。
でも、夫がなかなか守れないという。
私たち夫婦も似たような感じだ。

記事「たたかうお嫁さま」で書いた通り、私たち夫婦の結婚披露宴の時に、私は2人分がひとつの蒸籠に入れてあった点心を2人分だと知らずに1人で全部食べてしまい、のちのちまで妻に言われた。
私は子どもの頃、大皿から取って食べる料理は早い者勝ちという環境で育った。
個々の皿に分けてある料理でも、もたもたしていると、父が「いらんなら、食ったるぞ」と狙ってくる(すると、母が「子どもの分を取らなくても、私の分をあげる」と割って入る)。
「取られたくなかったら、早く食べろ」という、野生の獣のような感覚が自然に身に付いたのかもしれない。
だから、ひとつの皿から取って食べる時は「これ、食べてもいいか」と確認するように、私も、妻にしつけられた。
そもそも、妻が「これは、私は3個でいいから、5個食べていいよ」という風に、最初から割り当ての数量を指示してくる。
私は、いちいち数えながら食べていないから、途中でわからなくなる。
そういう時は、素直に尋ねると、「あと、1個食べていいよ」という風に返ってくる。
「セキララ結婚生活」の作者も、私の妻と似たタイプなのだろうなと親しみがわく。
漫画の合間のコラムで書いてある「財布の仕組み」も、興味深く読んだ。
作者夫婦は、作者が生活費、夫が家賃を負担する。
一方で、お互いの口座のキャッシュカードを2枚ずつ作って互いに持っていて、自分の口座のお金がなくなると相手の口座から引き出してもいいという方式なのだとか。
作者はお金の管理が苦手で、夫の口座から引き出すけど、「夫は質素なのか、男の沽券なのか、私の口座の金には、あまり手を付けない」という。

私たち夫婦の場合は、私の口座も妻の口座も、妻が全部管理している。
私は自分の口座のカードを持っていない。現金が必要な時は、妻にもらう。
私が、PayPayを使うようになってからは、自分の口座からチャージできるので、日々、コンビニでタバコや飲み物を買うのは便利になった。
ちなみに、妻によると、妻の友人(女性)たちの家庭では、夫婦がそれぞれ自分の口座を管理していて、夫が一定額の生活費を負担するという方法が主流。
夫が給料をいくらもらっているのか、わからないというケースもあるそうだ。
妻に「どっちがいい?」と尋ねると、「私が全部管理するほうがいい」とのことだった。
私も同感だ。私はお金の管理が苦手なので、妻に管理してもらったほうがいい。
「セキララ結婚生活」で、一番共感を覚えたのは、「結婚の理由(?)」という話。
同居人がいると、病気など、何かあった時にありがたいというのは、その通り。
「普段ありがたいと思うのは、友達にわざわざ持ち出すことじゃない、ちょっとしたことをすぐ言える相手がいるということ」というのも、全く同感だ。

その日の出来事でも、仕事の愚痴でも、一緒に見た漫画や映画の感想でも、話せる相手がいるというのは、本当にありがたい。
私は、子どもの頃から、おしゃべりが好き。
学校から帰ると、その日あったことを母親に事細かに話していたという(逆に、弟は、無口で、聞かれないと話さない)。
妻は、私と同じように、おしゃべりが好き。
だから、妻と一緒にいると、会話が止まらない。
